2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケールセルフアセンブリによるナノ複合構造の創製と力学特性評価
Project/Area Number |
23656089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平方 寛之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362454)
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Keywords | ナノ構造 / セルフアセンブリ / マイクロ材料力学 |
Research Abstract |
自己組織化現象を利用した構造作製(セルフアセンブリ)によって多様な形態を持つナノメートルスケールの3次元構造を作製することができる。本研究では、規則的に配列したナノ構造要素を原子レベルから組み立てる動的斜め蒸着法と、液架橋力を利用してナノスケールの要素を集積させる粒子自己集積化法に着目し、これら2つの階層のセルフアセンブリを融合したマルチスケールセルフアセンブリによって、従来の材料では発現し得ない高い強度・力学特性と他の物理・化学特性を兼ね備えた新規ナノ複合構造を創製するとともに、そのユニークな機械的特性を明らかにすることを目的とする。 本年度は、前年度に作製した二酸化シリコン(SiO2)ナノ構造配列およびナノコラム・粒子複合構造に対する力学特性評価実験を実施した。現有の静電力負荷方式の微小荷重力学試験装置を用いて、直径が1.5 μmのダイヤモンドフラットパンチ圧子を用いた負荷実験を実施した。同時に多数のナノ構造に負荷を与える試験により要素の集合体としての特性を評価した。その結果、コラムと粒子を複合化することにより、ナノ粒子のないナノコラムに比べて強度や剛性が向上しており、高強度・高剛性であるナノ複合構造を実現できた。また、試験後のナノ複合構造を走査型電子顕微鏡によって観察した。その結果、ナノコラムに作用する荷重をナノ粒子が効果的に分散することにより高強度化するメカニズムを明らかにした。
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