2012 Fiscal Year Research-status Report
イメージベース有限要素法による褥瘡発生のバイオメカニズム的病因の解明
Project/Area Number |
23656092
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高野 直樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10206782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永竿 智久 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (20245541)
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Keywords | 有限要素法 / イメージベースモデリング / 褥瘡 / 界面切欠き / モンテカルロ法 / サンプリング法 / 皮膚特性 / 看護・介護 |
Research Abstract |
当初計画した以下の4項目について平成24年度の成果を纏める。項目[1]で開発した解析システムに、項目[2],[3]における計測値を入力にしてシミュレーションを行い、本年度は患者の筋肉・脂肪の状態とポジショニングの組合せによる褥瘡発生のリスク予測を行うことができた。 [1] 3次元イメージベース有限要素解析システムの開発: CT断層写真からSimpleWareソフトウェアを用い、有限要素分割を行うことができた。一方、2次元モデルに対して、骨-筋肉界面のマルチスケール応力解析に適した精密モデルも構築し、骨-筋肉界面における損傷を切欠きとしてモデル化し、切欠き端部における界面ひずみを界面に沿った座標系で求めるとともに、外挿により切欠き端部のひずみ値を算出する手順を確立した。モンテカルロシミュレーションにおける10,000回の解析においても、外挿値を出力できるような解析システムを開発した。 [2] 献体皮膚の力学的特性の計測と数値的同定: 皮膚の圧迫・ずれ変形付与時の力学的挙動を混合ワイブル分布として定量的・数理的に表現することができ、モンテカルロシミュレーションへの入力を可能とした。モンテカルロシミュレーションにおいて、特に高いひずみ値となる筋肉および脂肪の力学的特性の組合せに注目し、効率的なサンプリングにより解析効率を向上させる手法(Stepwise Limited Sampling; SLS法)を開発し、仰臥位と側臥位というポジショニングとの相関について知見を得ることができた。 [3] 介助動作時荷重計測: 代表的な3通りの寝返りの介助動作の内、患者に最も負担が少なかった1通りの動作について、患者とベッドの接触領域の変化を計測により決定し、仰臥位、側臥位(左右2通り)における圧迫荷重を同定することができた。 [4] 成果発信用WEB作成: 医工連携のWEBサイトを開設した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自のバイオメカニズムの仮説に基づく提案シミュレーション法の有効性と数値解析精度の向上を行い、不確かさのデータ取得とモンテカルロシミュレーションを行うという主要課題について順調に進行している。特に、褥瘡発生のリスク予測に有効なサンプリング法を提案できている点、SimpleWareを用いた3次元モデリング、医工連携WEBサイトの開設も計画通りに行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
不確かさの要因としてあげた脂肪・筋肉の形態の違い、骨-筋肉界面の損傷箇所の2点を加えたシミュレーションを行い、提案した新規サンプリング法を確立する。また、医学従事者が容易にシミュレーションできるよう、タブレットPCの活用についても検討し、介助動作法の研究に役立てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発ソフトウェアのGUI開発費および成果発表の出張旅費が主となる。成果発表として、8月にソウル(韓国)にて開催されるAPCB2013(7th Asian Pcific Conference on Biomechanics)および12月にシンガポールにて開催されるAPCOM2013(5th Asia Pacific Congress on Computational Mechanics)を予定している。その他に、学術論文投稿に必要な経費を予定している。
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Research Products
(5 results)