2012 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルス高出力フラッシュランプ照射による単結晶シリコン加工変質層の完全修復
Project/Area Number |
23656094
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
閻 紀旺 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40323042)
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Keywords | 超精密加工 / 加工変質層 / 単結晶シリコン / フラッシュランプ / 加工欠陥 |
Research Abstract |
本研究では,サブミリ秒パルス制御の超短パルス高出力フラッシュランプを単結晶Si工作物に照射することで加工変質層を完全な単結晶構造に修復すると同時に,工作物表面に存在した高さ数十nmの加工条痕もnmレベルに平坦化させるする技術を提案している.これにより,材料ロスがゼロ,産業廃棄物のエミッションもゼロのSiウエハ・赤外光学部品製造技術を実現させることを研究目的としている.H24年度では,主に以下の項目について研究を行った. (1)フラッシュランプ照射による表層アモルファスSiの溶融・再結晶の過程および下層転位の移動機構を解明するために,分子動力学を用いてSi加工変質層の解析モデルを作成し,照射によるSi原子の温度上昇・溶融・エピ成長および転位の移動・消滅現象のシミュレーション解析を行った. (2)工作物・ランプ間距離や照射パルス幅,冷却方法等を変化させて照射実験を行い,表面残留応力と熱変形を測定し,残留応力が最小となるランプ照射条件を特定することができた. (3)パルス幅制御により処理深さをコントロールし,各種ダイヤモンド砥石による研削加工表面および単結晶ダイヤモンドバイトによる切削面を実験対象として照射実験を行った.特に,加工変質層が深く形成されている場合,修復効果が確認されたものの,問題点として衝撃波によるウエハの破壊が観察された. 以上のように,本研究を行うことにより,フラッシュランプ照射による加工変質層修復の可能性と問題点が明らかになり,今後の継続研究に対して有意義な知見を与えたと考えられる.
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Research Products
(3 results)