2012 Fiscal Year Annual Research Report
硬脆材料のインテリジェントレーザスライシング法に関する研究
Project/Area Number |
23656095
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
池野 順一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10184441)
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Keywords | レーザ加工 / スライシング / シリコン / 硬脆材料 |
Research Abstract |
シリコンウエハは半導体基板や太陽光発電パネルとして重要な基板である。しかし、インゴットから従来の機械加工で切り出すと50%が加工屑になり、最終工程までには90%に至る。将来はウエハの薄化がより進むため、加工屑割合は増加の一途を辿ることが予想される。そこで本申請では、加工屑を飛躍的に削減して環境に優しく、微細構造を切断面内に形成して高機能を付加する新しい“インテリジェントレーザスライシング(ILS)法”を提案し実現することを目的とした。平成23年度はレーザスライシング装置およびそのシステムの構築に重点をおいて研究活動を行った。まず、装置およびシステムを構築した。次に、装置性能評価のための基礎実験として、AF機構による深さ方向とクラックの発生頻度の関係を明らかにし、加工可能な深さを同定した。平成24年度は2インチシリコンウエハの加工実験と分析を行った。まず、スライシング本実験として、加工条件の選定、加工の高速化のための条件選定を行うとともに、結晶方位の影響についても検証した。次に、シリコン加工試料の分析を行い、シリコン試料の加工痕における応力状態、結晶状態をラマン分光法によって分析した。最後にインテリジェント化の検討として、レーザスライシング時にAF装置で対物レンズを上下させ、剥離面に機能をもつ微細形状の創成に成功した。以上より、従来の機械的なスライシング法で大量の切り屑を排出しているのに対し、レーザを用いた本方法では1/10ほどの切代でスライシングできることが明らかになった。さらに、機械法によるスライシング加工では、絶対不可能であった微細パターンを形成しながらスライシングする新しい加工コンセプトを実証することができた。
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Research Products
(12 results)