2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656099
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸倉 和 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10016628)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 微粒子 / 衝突 / ブラスト / 発光 / センシング |
Research Abstract |
ブラスト加工は,電子機器用のガラスやセラミックスの加工にも適用されているが,学術的な検討が十分には進んでいない.本研究は,発光現象を利用したブラスト状態のモニタリングを試み,さらにそのモニタリングのためのセンサを実現しようとするものである.平成23年度は,研究実施計画に基づいて,以下の3点について観察・評価を行った.(1)ブラスト条件とブラスト除去速度等の評価:これまでも粒子速度等の評価を行っているが,本研究ではブラスト粒子と工作物の衝突による破砕状態を高速度カメラを使って詳細に観察した.その結果,粒径の大きい炭化ケイ素粒子をシリコンに衝突させると炭化ケイ素粒子が小さな破片となって破壊することをとらえることができた.粒径が小さくなるにしたがって破砕の割合は小さくなった.このことは粒径管理が重要であることを示している.(2)分光分析による発光スペクトル評価:噴射粒子として炭化ケイ素とアルミナを選択し,シリコン,炭化ケイ素,アルミニウムを工作物に選んで,100m/s程度の粒子速度でブラスト加工を行い,その時の発光スペクトルをポリクロメータで計測した.噴射粒子,工作物の組み合わせにより発光するものと発光しないものが確認できた.また,発光が確認できたシリコンと炭化ケイ素では発光スペクトルは異なって観察された.種々の組み合わせでの発光観察の結果,ブラスト時の脆性破壊における新生面での酸化が発光に関係するものと思われるが,さらなる検討が必要である.(3)センサ材料の探索:ブラスト加工のセンシングにはガラスが有力な材料と考えて,ガラスの作り方を検討した.ゾルゲル溶液にレーザ照射してガラスを成長させようとするもので,基板上に長さ5mm程度の針状のガラスを成長させることができた.針状ガラスの成長条件を明らかにしながら,センサに適した組成のガラスを得ることが今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブラスト粒子の挙動観察には高速度カメラを使った.当研究室ではレーザ加工時の現象観察に実績を有しており,このような経験が役立ち,粒子挙動をとらえることができたと感じている. 発光スペクトル,発光強度が照射条件によって異なることを明らかにできたことは意義深い.この発光メカニズムは大変興味深いが,明らかにするには時間をかけた検討が必要考える. ガラスを迅速に成長させることができたことは次の課題解決の大きな足がかりとなる.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,研究はほぼ計画通りに進捗している.レーザを使ってゾルゲル溶液からガラスを成長させることができ,次年度に向けての大きな収穫である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定通りの予算で研究を遂行する.
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