2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656106
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 秀和 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30362651)
|
Keywords | X線ミラー / 位相回復 / 形状計測 |
Research Abstract |
回転楕円形状を持つX線集光ミラーは、大開口、微小集光、長焦点距離、色収差なし、などの特徴を持つことから、理想的な光学素子と言える。しかしながら、理想的な性能を持つためには、X線を反射する内面形状において、ナノメートルの形状精度が求められる。本研究では、理想的な性能を有する回転楕円型X線集光ミラーの作製に不可欠な、ナノメートルの精度で内面形状を測定が可能な位相回復法による形状評価システムを構築することにある。 今年度、主な実施項目は1. シミュレータを用いた各誤差の測定結果への影響の調査。2. 可視レーザーを利用した計測システムの性能向上。3. 可干渉性X線を用いた回転楕円ミラーの評価 である。 項目1では、昨年度開発したタイコグラフィーによる位相回復シミュレータを利用し、集光点に挿入する物体のアライメント誤差の測定される波面への影響を調べた。ゼルニケ解析を利用することで、コマ収差などアライメント誤差に起因する波面誤差を取り除くことができ、オフラインでの実験調整が可能であるレベルであることを確認した。項目2では、平凸レンズを利用した集光波面計測実験を実施し、測定再現性λ/200(RMS)、測定絶対精度λ/100(RMS)を確認した。項目3では、高次高長波X線光源に対応したX線集光システムの設計を開始した。 以上のように、可干渉性X線光源を想定した位相回復法を利用した波面計測法を実証した。
|