2012 Fiscal Year Annual Research Report
参照面不要を特徴とする微小非球面レンズ測定用波長走査干渉計の開発
Project/Area Number |
23656111
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Research Institution | The Graduate School for the Creation of New Photonics Industries |
Principal Investigator |
花山 良平 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 助教 (20418924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 勝弘 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (30311517)
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Keywords | 光干渉計測 / 非球面形状計測 / 零位法 / 空間位相変調器 / 波長走査干渉法 |
Research Abstract |
計画2年目である平成24年度は零位法干渉計の構築を主に行った。非球面の形状測定においては形状の変化が大きく、通常の干渉計ではダイナミックレンジが不足する。これに対し本研究ではTwyman-green干渉計を基本とし、任意の波面を動的に生成することが可能な液晶空間光位相変調器(SLM)を参照鏡に用い、干渉縞が一様となるNull状態となるよう操作することで測定を行う零位法干渉計を構築した。この干渉計では原理的には干渉縞の飽和の問題は生じず、広いダイナミックレンジが実現される。 構築した干渉計の性能を確認するために光軸に対し約15秒傾かせた平面鏡に対する形状測定を行った。当初、干渉縞画像取得を行うCCD素子の横幅7mmに対し160本の干渉縞が観測されたのに対しSLMを用いて参照波面を傾斜させることで干渉縞の本数を7本にまで減少させることに成功した。これは試料の大傾斜に対し構築した系が適応的に動作し、測定のダイナミックレンジを向上させたことを意味する。また、SLM上で人工的に形成した形状欠陥に対する測定においては、当初の測定で観測された位相分布をSLMに帰還させることでほぼ平面の位相分布が観測され、SLMへの操作量に形状欠陥が複写されることを確認した。 構築した零位法干渉計はNull状態へ収束させる手法に改善の余地が認められたが、干渉計測のダイナミックレンジを拡大する効果が確認され、非球面や自由曲面などの大きな形状変化を有する面の形状測定への適用可能性が見出された。 また、初年度に構築した軸対称シアリング干渉計では高精度計測のためには測定系の調整が非常に困難であるのに対し、零位法干渉計は調整は容易であり安定して性能を発揮できることが判った。今後はこれらの長所・短所を組み合わせることで非球面形状計測の信頼性向上に寄与できるよう研究を進めたい。
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Research Products
(3 results)