2013 Fiscal Year Annual Research Report
ネオジム磁石薄膜のマイクロ多極着磁とそのMEMSへの応用
Project/Area Number |
23656117
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
進士 忠彦 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60272720)
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Keywords | ネオジム磁石 / 着磁 / 微細化 / レーザ加熱 |
Research Abstract |
本研究では,バルクのネオジム磁石に匹敵する残留磁束密度と保磁力を有する薄膜ネオジム磁石(NeBFe/Taの多層膜構造,膜厚数μm)のマイクロ多極着磁(ピッチ0.1mm以下)の実現を第一の目的とした.また,上記技術のマイクロリニアモータへの適用も第2の目標とした.当初,H23~24年度の2年間の予定で計画を実施したが,パルス着磁では,目標の0.1mmピッチの多極着磁に到達できず,0.5mmまでが限界であった.0.5mmまでの技術を用いて,マイクロリニアモータの試作を試み,成功した.H25年度は,繰り越した研究経費を活用し,レーザビームによる局所加熱法を用いた微細着磁を試み,当初目標とした,0.1mm以下の多極着磁に成功した.具体的には,1)伝熱解析により,ネオジム磁石の加熱温度と,レーザ波長,レーザスポット径,レーザ出力,基板材質などの影響を明らかにした,2)薄膜磁石の加熱時のBH特性を計測し,比較的低い静磁場(1T以下)で磁場反転できる温度条件を明らかにした,3)1)と2)の結果から,微細着磁に必要なレーザ加熱条件,基板条件,磁場条件を明らかにし,実験系を構築した、4)3)の実験条件,装置を用い,着磁実験を実施したところ,25μmのスポット,0.2WのYVO4レーザを直線上に100mm/s操作することで,0.9T程度の静磁場中に設置された厚さ約4.5μmの薄膜ネオジム磁石を,70μmの幅で着磁することに成功した.
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