2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 祐一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80273001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 裕司 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00419946)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 風力発電 / 風車 / 自然エネルギー / 再生可能エネルギー / 可視化 / 騒音 / 流体力学 / 環境工学 |
Research Abstract |
初年度は,風車の中長期的なデザイン方針を模索するステージとして以下の研究を行った.まず,垂直軸風車のフォーメイション作用について,サボニウス風車とダリウス風車の独立回転系での流体力学的相乗効果を調査した.この結果,サボニウス風車の後流がダリウス翼の失速を抑制し,それにより低周速比条件でのダリウス起動特性が新たに発生することが判明した.また,この結果からサボニウスを円筒モデルで置換しても同じ効果を得た.次に,風車からの騒音源を調べるため熱線風速計とPIVを利用した時空間流速変動スペクトル特性を計測した.特に低周波数騒音の流体力学的発生原因について先行的に明らかにすることを狙いとして,プロペラ風車の翼通過周波数未満の振動を計測した.この結果,高精度の低周波対応マイクと熱線流速計による乱流スペクトル解析から,翼通過周波数の1/2以下の振動周波数が発生することがわかった.またその音源についてはレーザーによる気流場の可視化計測により,プロペラの翼端から螺旋状に下流に放出される渦の非線形なねじれの作用によるものと推察した.また,ダリウスやジャイロミルなどの揚力型垂直軸風車では,回転翼が動的失速を伴うとき振幅変調型のうなり音が発生することを類推させる熱線風速計のスペクトルデータを取得した.さらに,震災以降の風力開発に対する政策的圧力の急激な高まりに対して,大型風車ウインドファームで深刻化するバードストライク問題を解決する実用化レベルでのシステム開発を行った.さらに風車の自然乱流による翼性能の変動や乱流騒音を観測するため,大規模な環境流動場を三次元的に計測する単視点型カラーPIVシステムの原理設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定のとおり、初年度の実験は順調に進んでいる。また次年度に立ち上げるテーマを実施するうえで、その準備も出来た段階にある。よって順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実験データを増強して風車のランドマークデザインを構築する作業を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
風洞実験での消耗品と、ウインドファームにおける実地計測の諸経費に充てる。そのための計測機材運搬、旅費、記録媒体、学生雇用謝金とする。なお、研究費の次年度分への移行は、全体に対して僅かであり、風洞実験設備をただちに開始するための消耗品に充当する。なお、平成23年度における未使用額は、風車の騒音データ処理が3月から5月という年度を跨ぐ時期に重なったために生じた。平成24年4月から5月にかけてこの額に相当する経費を使用する。
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Research Products
(11 results)