2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 祐一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80273001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 裕司 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00419946)
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Keywords | 風車 / 風力発電 / 流体力学 / 流体工学 / 風力エネルギー / 自然エネルギー / 風洞 / 可視化 |
Research Abstract |
世界的に同時に10年で10倍という爆発的な普及期にある風力エネルギーについて2年間の研究を実施した.それは,将来存在するであろう,風車の設計ビジョンを,現段階で多角的に見極めるというものである.研究の内容は,現在すでに問題となっている風車の設計上の問題を吟味し,その延長線上にある問題を先取りして基礎研究を行うというものである.そのような位置づけから,以下に述べるA, B, C, D, Eの5つの選定されたテーマについて,風洞実験,数値シミュレーション,ならびに現地調査に基づく研究を実施した.テーマAはフォーメイション風車の性能予測で,プロペラ風車の近接配置干渉を,透過性円盤モデルによる風洞実験で計測・評価する方法論を開発した.テーマBは多自由度回転系の風車,すなわち回転軸を複数もつ風車性能の調査である.実験ではサボニウスとダリウスを独立回転軸で共有させる試験を行い,抗力型のサボニウスを内側にもつダリウス風車が低周速比で起動することを明らかにした.テーマCはフラクタル風車,つまり乱流の乱れ成分と風車幾何学的構造の干渉に関する科学に焦点をあてた.金網で構成されるサボニウス風車が,金網を通過する気流からの粘性抗力をうけて駆動するという原理について回転性能試験と可視化実験を実施した.テーマDはアート風車であり,風車性能とアート性の両立条件を合理的に究明するという方法論を研究した.その結果,三次元的な流線と,ブレードの曲面およびそれによってもたらされる光沢の動きが動くモニュメントとしての付加価値を与えることなどを分析した.テーマEは走行風車で,理論および数値シミュレーションによってその性能予測を行った.これは自動車や船舶において抗力の一部を電力として回収する技術として既に実用化されているが,走行方向に垂直な風の成分が,成績係数を増大させることを確かめた.
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Research Products
(3 results)