2011 Fiscal Year Research-status Report
DBDプラズマアクチュエータを用いた新しい着火・燃焼促進技術の開発
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23656125
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝田 謙一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80282101)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 着火 / 燃焼 / プラズマ / DBD / スクラムジェット |
Research Abstract |
今年度は、超音速流路下壁面に設置されたDielectric Barrier Discharge (DBD:誘電体バリア放電)デバイス上流から各種燃料を噴射し、着火・燃焼実験を行いDBDプラズマの反応性を調べた。実験結果において、水素燃料、炭化水素系燃料とも、火炎の生成は見られず、分光分析においても燃焼生成物の存在は確認できなかった。これは超音速流の全温が常温であり、静温が極めて低いため、そのような状況では熱的効果を有しない非平衡プラズマだけでは着火・燃焼までには至らないことが判明した。静温が常温である亜音速流中での着火・燃焼実験も試みたが、着火には至らなかった。そこで研究代表者は、DBDプラズマの反応性を高めるため、トーチ形状として作動ガスに炭化水水素系ガスを利用できる非平衡プラズマトーチを提案し、その開発を行った。従来のDBDデバイスの場合、プラズマ化するのは主流空気であるが、非平衡プラズマトーチの場合は作動ガスを自由に選べる利点があり、炭化水素系燃料を作動ガスに選ぶことにより、CH等の着火促進効果の大きい燃料フラグメント等を燃焼場に供給できると考えられる。本研究では、メタンを作動ガスに含む非平衡プラズマトーチの開発に成功し、亜音速流中に非平衡プラズマを噴射することに成功した。同時に、メタン/窒素およびメタン/アルゴン混合気を高電圧印加し非平衡プラズマ化し、それらを含む混合気の着火解析手法の開発にも成功した。着火解析の実施によりメタン/アルゴンプラズマのほうが着火性が高いことを明らかにし、非平衡プラズマトーチの作動ガス選定の一助とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DBDプラズマだけでは静温の低い流れ場では着火・燃焼に至らないことが明らかになったが、新たにDBDプラズマトーチの設計、開発に成功し、作動ガスを自由に選べるようにすることで反応性を高めることに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発した非平衡プラズマトーチによって、超音速流中へのDBDプラズマの噴射実験を行い、さらにそれによる着火・燃焼実験を実施する。さらに炭化水素系燃料を作動ガスとした場合のプラズマ特性を分光分析等により明らかにし、それらの結果を基に燃焼/プラズマ反応過程のモデリング手法の開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として、DBDトーチの製作費やプラズマ作動ガス、燃料ガスの購入費等消耗品費として使用する予定である。次年度使用額分は、3月末に購入手続きを終えており、当初の研究計画に沿って研究費は使用されている。
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