2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656135
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 数値流体力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,研究代表者がごく最近発見した新形式の移流項を使用し,従来は達成できなかった移流方程式の超高精度数値計算や,従来は安定に解くことが困難であった移流形方程式の新たな数値計算および理論解析手法の開発に挑戦することである.新形式の移流項は密度が変化する流れ場に対しても輸送量の自乗量保存形を与える事に特徴がある.平成23年度は,1)自乗量保存形差分と衝撃波捕獲法の混合スキーム,2)コンパクト差分による高次精度流体解析手法,3)移動格子の自乗量保存形差分,を構築した. 1)新形式の移流項は圧縮性流体に対しても自乗量保存形を与えるので,これと衝撃波捕獲法との混合スキームを構成し,乱流計算に要求される低数値散逸性と衝撃波捕獲性能の両立を達成した. 2)高精度の空間離散化手法としてコンパクト差分を取り上げ,高精度の空間離散化手法を使用した場合に問題となる非線形数値不安定性を自乗量保存形の移流項の採用によって抑制する手法を提案した.3)新形式の移流項の形式を利用し,移動格子に対する自乗量保存形差分を構成した.これは,移動格子に対する輸送方程式の移流項と圧縮性流れの輸送方程式に対する移流項のアナロジーを利用し,移動格子に対する自乗量保存形差分を構成したものである. これら以外にも,混相乱流,流体音響,回転系乱流,旋回乱流,に適した数値計算スキームの構築を試みている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績について,雑誌論文3報および学会発表6回により,研究成果を示している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,平成23年度に構築した計算手法の応用に加え,混相乱流,流体音響,回転系乱流,旋回乱流,に適した数値計算スキームの完成を目指し,研究を進める. 混相乱流の数値計算スキームでは界面追跡法が重要になるので,従来のVOF法およびCFSVOF法に加え,近年提案されたTHINC法,THINC/WLIC法,THINC/SW法,およびMTHINC法についても検討する.流体音響計算では,噴流における流体音響を詳細に検討する.また,回転系乱流と旋回乱流のコードは非圧縮性流れに対する計算アルゴリズムであり,圧力ポアソン方程式の高速解法としてMG法の導入を試みる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計算プログラムの作成と数値計算の実施は設備備品費に計上しているワークステーションを使用する.計算結果の整理等には作業用パソコンを使用する.また,第26回数値流体力学シンポジウム等の講演会にて,研究成果発表と研究動向の調査を行なう.
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Research Products
(9 results)