2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新宅 博文 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80448050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 聡恭 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00250837)
土井 謙太郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20378798)
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Keywords | 流体計測 / マイクロ流体 / MEMS / 微小流路 / 生体計測 |
Research Abstract |
本研究課題で開発した微小振動梁の振動特性を液体中において検討した.液体中では主に周囲流体の付加質量の影響により共振周波数が低下することが分かった.また,粘度の異なる液体を使用した実験から,粘性により振動のQ値が減少することも明らかになった.これらの成果について纏めた論文を英文ジャーナルへ投稿する予定である. 次に,昨年度開発した流路製作法に基づき,細胞の電気穿孔を目的としたマイクロデバイスおよび局所電場測定法の開発を行った.直径5 μm~10 μmのマイクロポアを格子状に配列したマイクロデバイスを製作し,パルス電圧を印可した際のイオン電流を計測した.これらの計測結果からマイクロデバイスの電気特性を記述する等価回路モデルを提案した.等価回路モデルと実験結果の比較からマイクロポアにおける電流密度の算出を行い,電流密度と溶液の電気伝導率からマイクロポアにおける局所電場を推算した. 次に,製作したマイクロデバイス上で細胞の培養を行い細胞の電気穿孔を実施した.ここではHeLa, NIH3T3およびsmooth muscle cellの三種の細胞を用いて実験を実施し,開発したマイクロデバイスにより三種全ての細胞に対して電気穿孔が可能であることを示した.さらに,電気穿孔時に得られるイオン電流からマイクロポアにおける電流密度を算出し,細胞に与えられる局所電場と電気穿孔の効率の相関について詳細に検討した.これらの成果については,2件の英文ジャーナルとして掲載されており,既に高い評価を得ている.
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