2012 Fiscal Year Research-status Report
音波型スターリングエンジン:スターリングエンジンの新展開
Project/Area Number |
23656141
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
琵琶 哲志 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50314034)
|
Keywords | スターリングエンジン / 熱音響自励振動 |
Research Abstract |
温度勾配のある細管流路内において,進行波音波はその周期的な圧力変動と流速変動を通じて,スターリングサイクルと呼ばれる熱力学的サイクルを実行し,音響パワーを出力する.このような現象を利用した音波型スターリングエンジンは,ループ状の配管に細管流路(蓄熱器と呼ぶ)を挿入することで実現できることが分かっている.ループ状の配管の役割は蓄熱器を通過する進行波音波を生成可能にすることにある.本研究では同軸二重管構造を利用して同様の条件を実現し,装置のコンパクト化や装置デザインの多様化を可能にすることを試みた.昨年度までの研究で,内径が40 mmと21 mmの中空パイプを使って中心軸を共有する同軸二重管に円環状の蓄熱器(穴空き金属メッシュを積層して構成した)を内蔵した管内では,内管を通過して円環領域へと流れ込む進行波音波を確認したので,この蓄熱器に温度勾配を与え同軸二重管型装置の音波型スターリングエンジンとして機能を検証した.二重管部分に共鳴器を接続した装置では,蓄熱器に250度C程度の温度差を与えれば熱音響自励振動が発生することを確認した.共鳴管を通じて音響パワーが取り出せることを意味しているので,ループ形状に変わる音波型スターリングエンジンが実証できたと言える.自励発振温度の理解を深めるために,一次元化した計算モデルを構築し実験と比較したところ,蓄熱器の二重管における軸方向位置が支配因子であることが分かった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな形状の音波型スターリングエンジンを提案できた. 装置形状の変化に伴って自励振動発生温度差が変化することを実験的に明らかにした. 1次元の計算モデルを作成し,実験と定性的な傾向が一致することを確認している.
|
Strategy for Future Research Activity |
音波型スターリングエンジンはエネルギー変換に可動部品を使用しないだけでなく,出力仕事の輸送にもギアなどの可動部品を使用しない点にある.そこで複数の同軸二重管型エンジンを配列した装置を提案したい.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
複数の同軸二重間型エンジンの作成と,また予備実験としてより単純な形状の音波エンジンの作成費用にあてる.
|
Research Products
(2 results)