2013 Fiscal Year Annual Research Report
音波型スターリングエンジン:スターリングエンジンの新展開
Project/Area Number |
23656141
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
琵琶 哲志 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50314034)
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Keywords | スターリングエンジン |
Research Abstract |
気体がスターリングサイクルと呼ばれる熱力学的サイクルを実現する音波型スターリングエンジンの開発が本研究の目標である.スターリングサイクルの実現には,圧力振動と流速振動が同相となる気柱振動モード(進行波音波モード)が必要だが,これまではループ状の配管構成のみで,この気柱振動モードが実現していた.本研究では,ループ管の代わりに同軸二重管構造を採用して音波型スターリングエンジンの可能性をすでに検証し,内管を軸方向に通り抜けた後,内管と外管の間に形成される円環を通って音波が周回するような進行波音波モードを実現可能なことを明らかにしている.本年は,進行波音波モードを実現する別の方法として,3つのU字型の液柱振動系を比較的短い気柱管でループ状に結合した系を作成した.この系の固有振動数は液柱の固有振動数に比較的近く,気柱管の固有振動数に比べると同じ長さの系であっても10分の1程度に低く,音波伝播に伴うエネルギー散逸は著しく小さくなると期待される.液体ピストンをもつこのタイプのエンジンにおいて,液柱と気柱の長さを工夫することで,温度差100度程度で自励振動が開始することを明らかにした.レーザードップラー流速計による流速測定と小型圧力トランスデューサーによる圧力測定を実施したところ,二つの振動量はほぼ同位相で振動しており,このエンジンもまたスターリングエンジンの一種であることがわかった.これで,従来型の固体ピストンをもつ機械式スターリングエンジンと,気体ピストンをもつ音波型スターリングエンジンに加えて,液柱式スターリングエンジンがそろったことになる.
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