2011 Fiscal Year Research-status Report
二成分蒸気の相変化における自発液滴移動現象を利用する新形式二相ループの創生
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23656147
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宇高 義郎 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50114856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 志豪 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究教員 (60611275)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 熱伝達 / マランゴニ凝縮 / 自発液滴移動 / 二相流体ループ / 水-エタノール |
Research Abstract |
本研究では、2成分蒸気のマランゴニ滴状凝縮における、伝熱面温度分布に基づく凝縮液滴の自発移動現象を適用し、ウイックレスの気液相変化を伴う自発液体移動二相流体ループ伝熱デバイスを創生する。マランゴニ滴状凝縮現象においては、凝縮液滴は伝熱面の低温部から高温部へ温度差の存在だけで自発的に移動することから、外力の存在無しに、凝縮液は液体の減少する高温部である蒸発・沸騰部へ供給され、良好な熱コンダクタンスのもとに気液相変化熱移動を実現する。本現象をベーパーチャンバーなどの気液相変化を伴う密閉空間二相流体ループ伝熱デバイスへ適用する基礎を確立し機器としての適用可能性を解明することを目的として、以下の事項を今年度実施した。気液相変化二相流体ループ伝熱装置の基本構想に基づいて、気液相変化二相流体ループ伝熱装置の基本構想と設計・製作を実施した。すなわち、作動流体として水-エタノール2成分混合液・蒸気を封入する構造とした。さらに、実験装置の基本構造として、伝熱面に適切な温度勾配を付与するために、従来のマランゴニ凝縮熱伝達率を境界条件に与えた数値解析手法を用いて、伝熱面材質、厚さおよび装置長さをパラメータとして、実験装置の基本構成を設計した。重力の影響を小さくするため、気液相変化二相流体ループを水平設置とした。装置の温度条件は、作動流体の圧力を変化させるため、作動流体の自然循環特性および伝熱特性に影響することが考えられるので、後述のように測定パラメータとして検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置構造の決定のため、数値解析を実施して多くのパラメータを整理する必要があった。さらに、それらの結果を反映させるための実験装置製作に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き実験装置の製作を行い、気液相変化二相流体ループ伝熱装置の基本特性を確認後、伝熱装置としての主要支配因子に関するパラメトリックな測定を行い、その得られた結果を基にそれぞれの支配因子の影響を明らかにする。さらに、伝熱装置としての特性解析を行い、提案デバイスの総合的特性を系統的に解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置の製作、数値解析および成果報告などの経費として使用する予定。
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