2011 Fiscal Year Research-status Report
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23656151
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角田 直人 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70345437)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | グローコロナ / 発光分析 / 微量溶液 |
Research Abstract |
グローコロナによる確実な反応のためには溶液の安定した界面形成が必要である。そのための最初の課題は、エレクトロスプレー現象を生じさせないことである。印加電圧モード、電極先端径、電極間距離、および溶液圧力が及ぼす影響を調査し、界面形成のための最適条件を見出すことを目標とした。印加電圧モードについては、正負直流と交流(10 Hz~1 MHz)を調査したが、負直流は正直流よりもエレクトロスプレー開始電圧が低く、交流の場合はそれよりも低いことが明らかとなった。しかし、これよりも高周波(1 MHz以上)の場合はエレクトロスプレーが生じない可能性もあるため、引き続き実験を行う予定である。電極先端径が小さくなるほど、放電開始電圧とエレクトロスプレー開始電圧は共に低くなるが、変化率は必ずしも同じではないことが分かった。具体的には、1μm 以下の径では、溶液の表面張力によりエレクトロスプレーが起きにくいと考えられた。電極間距離は1 mmから8 mmまで変化させて実験したが、常に放電開始電圧はエレクトロスプレー開始電圧より約300 V高いという結果が得られた。溶液圧力の影響はほとんどなかった。まとめると、溶液挙動に対しては交流周波数と先端径の影響が大きく、1μm 以下の径で約1 MHz以上の場合、エレクトロスプレー開始電圧とグローコロナ開始電圧は同程度になる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
印加電圧モード、電極間距離、液体圧力、および電極先端径が及ぼす影響に関して比較的詳細に調査し、界面形成の条件を絞り込むことができたので、おおむね順調に進展していると判断した。ただし、これらの調査に計画以上の時間を要したため、計画していた力学計算による液面予測が達成できなかった。次年度に実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、液体動態の理論計算と発光分析を中心に取り組む計画である。理論計算は、表面張力、壁面親和力、圧力、電界引力の相互作用を考慮した力学計算であるが、連携研究者と大学院生とこれまで議論している。発光分析は、当該年度で測定装置を準備できたので、実験を精力的に行う。必要であれば実験補助者を雇用し、発光スペクトルの測定と分析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に放電と発光分析に必要な消耗品費に予算を充当する。具体的には、放電チャンバに付属する光学部品、ガス、溶液、およびマイクロキャピラリ電極の作製等に充当する。旅費は研究代表者が情報収集と成果発表のために使用する。
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Research Products
(3 results)