2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70171444)
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Keywords | 接触角 / 沸騰伝熱 / 気泡 / 蒸気膜 / 撥水 / サブクール度 / 溶存空気 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,超撥水コーティングやテフロン(PTFE)コーティングを格子状に施した伝熱面を作成し,プール沸騰実験を行った.準備した伝熱面は直径30mmであり,加工パターンは,格子状は3×3,4×4,5×5 mmの3種類,全面超撥水加工面,および鏡面仕上げである.実験は,大気圧のもと,サブクール状態で行った.採用したサブクール度は,5,10,15,20Kの4種類である.各点で定常状態において測定した.また,発泡開始に対するサブクール度の影響を詳細に調べるために,PTFE斑点を1つだけ中心にコーティングした伝熱面を用いて,発泡現象を観察するとともに,気泡内部に熱電対を挿入して温度分布を計測した.その結果,以下の知見を得た. (1)PTFEを斑点状にコーティングした伝熱面の沸騰開始過熱度は通常面に比べて,非常に低い.低熱流束域では熱伝達が促進されるが,高熱流束域では促進効果が減少する. (2)サブクール状態においては,沸騰開始過熱度は負の値をとる場合がある.これは沸点よりも低い伝熱面温度で発泡を開始するという極めて珍しい現象であり,通常の銅伝熱面では観察されない. (3)サブクール下で負の過熱度でも発泡を開始するという現象には,溶存空気が関与しており,気泡内部の温度分布を測定したところ,飽和温度以下になっていることが確認された. (4)サブクール下での気泡離脱頻度を計測したところ,発泡開始点付近では離脱周期が7~10分となることが分かった. 以上の知見から,サブクール下での沸騰については溶存空気が大きな影響を及ぼしており,蒸気膜の安定に貢献していることが判明した.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Heat Transfer of Small Droplet Impinging onto a Hot Surface (Effects of Droplet Diameter,Impinging Velocity, Surface Roughness)2012
Author(s)
Fukatani,Y., Fukuda, S., Hidaka, S., Kohno, M. and Takata,Y.
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Journal Title
Proceedings of the ECI-8th International Conference on Boiling and Condensation
Volume: -
Pages: 1521
Peer Reviewed
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[Journal Article] Subcooled Boiling from a Surface with Spotted Patterns of Hydrophilic and Hydrophobic Coatings2012
Author(s)
Tashiro, M., Suroto, B.J., Kakitani, T., Hidaka, S., Kohno, M. and Takata,Y.
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Journal Title
Proceedings of the ECI-8th International Conference on Boiling and Condensation
Volume: -
Pages: 1520
Peer Reviewed