2013 Fiscal Year Annual Research Report
風応答長期観測記録に基づく塔状構造物の動特性変動の定量化
Project/Area Number |
23656159
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 優 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50344479)
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Keywords | 機械力学 / 建築構造 / 制振 / モニタリング / 風力 |
Research Abstract |
本研究では、積雪寒冷地における塔状高層構造物の風応答長期連続観測を実施して、気象条件に応じた動特性の変動を定量化し、制振装置の設計・耐風設計・構造ヘルスモニタリングに資する新たな知見を得ることを目的とする。この目的に従い、研究課題実施初年度に構築した風応答長期連続観測システムは3年間にわたり安定的に稼働し、メンテナンス時以外一度も停止することなく振動データを連続収録することができた。また、昨年度構築を試みたWiMAX回線による遠隔地からリモート操作も順調に稼働し、計測システムのモニタリングおよびデータ回収を行うことができた。昨年度までに把握した構造物の水平方向の固有振動数が概ね0.5Hzであることと、構造物の固有振動数が夏季には低く冬季には高いことを平成25年度も確認できた。しかし、固有振動数が年ごとに徐々に低くなっている傾向は、平成25年後半からほぼ一定に推移する傾向に転じたことは非常に興味深い。ただし、いずれの変化も制振装置の効果を低減させるほどのものではなく、振動に対する人の知覚確率には影響しないレベルであった。 以上の長期間にわたる分析結果については、平成25年12月に香港で開催された工学と応用科学に関する国会会議で発表した。なお、本研究課題期間中に構築した風応答長期連続観測システムは課題終了後も同建物内で稼働させることが許可されたため、さらにデータを収集しデータ分析を継続することとなった。
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Research Products
(1 results)