2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656164
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 由紀夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60136140)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 圧電フィルム / 界面センサ / 柔軟センサ / 衝撃力 / 面外変形 / 圧力センサ / 検出原理 / 剪断力 |
Research Abstract |
物体が地面に衝突すると地面は窪む。薄い金属板に衝撃力が作用すると塑性変形して複雑に面外変形する。このように、荷重を受けて表面が面外変形する界面での作用力を計測することは難しいとされている。その理由は、センサ出力信号に圧縮荷重成分に加えて曲げ成分と剪断(擦り)成分が重畳して出力されるためである。本研究は、このような状況で圧力成分のみを検出できる、「圧電型フレキシブル界面センサ」の検出原理を構築すること、および試作と実験を通じて性能を検証することが目的である。とくに、荷重が衝撃的であって、表面の窪みや湾曲が大きい場合にも使用できる、薄型かつ軽量で高速応答性に優れたセンサを開発することを目的とする。平成23年度は界面センサのフレキシビリテイの向上と、センサ出力に影響する有害因子(曲げ成分と剪断成分)が、どのようなメカニズムで生じるのかを理論的および実験的に検討した。23年度明らかにしたことは次の2点である。1.リンゴの尻を薄紙で包むと皺が寄る。センサが一枚のシート状の検出素子である場合、面外に湾曲すると微小な皺が入り、皺による誤差信号が加わる。圧電フィルム周囲に切込みを複数入れることで皺を減らしフレキシビリテイを向上させて、誤差信号をかなり除去できることを明らかにした。2.センサ本体は、圧電フィルム両面にシリコンゴムシートを接着した構造であるが、荷重負荷体の表面とシリコンゴムとの接触摩擦によって、センサに剪断力が入りやすいという欠点があった。センサ本体を伸縮布のカバーで包むことで剪断力をかなり除去できることを明らかにした。 24年度は現在のセンサ構成にもう一つの改良要素を加えて、実用的フレキシブル界面センサに近づけたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実用化フレキシブル界面センサを実現するには、(1)センサに面外柔軟性を持たせること、(2)対象物との接触摩擦影響を除くこと、(3)複数点負荷の問題の解決、の3点が重要と考えている。本年度はこのうち、センサ柔軟性の付与と、接触摩擦の除去の2点でかなりの進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
フレキシブル界面センサの実現のためには、複数点負荷の問題の解決が重要である。複数点負荷の問題とは、対象物の凹凸によってセンサの複数個所に圧力が作用すると、複数の圧力点が相互に剪断力を引き起こす現象である。現在はこの問題への解決策が得られていない。種々試して、どの方策が効果が上がるかを模索している段階である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)センサ試作のための消耗品を購入する。主なものは圧電フィルム、シリコンゴムシート、金属板、接着剤、など60万円である。(2)センサ出力を増幅するアンプ、またはロードセルとして20万円。(3)論文投稿料として10万円。(4)調査旅費として10万円。
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