2012 Fiscal Year Research-status Report
2次元フラクタルツリーの非線形振動特性に関する研究
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23656167
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
増本 憲泰 日本工業大学, 工学部, 講師 (80312081)
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Keywords | フラクタル / 振動試験 / CAE解析 / 非線形振動解析 |
Research Abstract |
平成23年度の研究において、作製した一部の試験片に対する予備的な振動試験の結果、非線形振動特性であると思われる特異な共振現象が観察された。この現象に対して詳細な検討を行うため、平成24年度の研究では平成25年度の研究費を前倒し請求することによってハイスピードカメラと画像処理ソフトウェアの導入を計画した。 ハイスピードカメラと画像処理ソフトウェアを用いた共振現象の詳細な解析を行ったところ、3進木構造の試験片に対してある振動数において面内振動と面外振動の連成振動が発生することが明らかになった。しかしながら、試験片の固定端における境界条件によっては連成振動が発生せず、実験を重ねることによって発生条件を検討した。 また、同じく3進木構造の別の試験片に対しては、自由端である幹の先端部分がほとんど振れない固有振動モードが観測された。このとき、枝部分が大きく振れており、観測された現象は動吸振器の挙動に非常によく似た現象であると考えられる。この現象についても、実験を重ねることによって発生条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究では、当初の計画よりもかなり進めることができたが、平成24年度の研究では、詳細な実験および実験結果の解析に時間を費やした。主な理由は、試験片の作製時間が膨大なものになったことにある。1枚の樹脂板から試験片を削り出して作製したため、作製途中で破断することも多々あったが、ほぼ当初の計画通りの試験片を作製することができた。 その結果、ほぼ当初の計画通りとなり、研究成果を平成25年8月に日本機械学会機械力学・計測制御部門講演会(D&D2013)にて発表することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究結果より、2次元フラクタルツリーに対して興味深い共振現象が生じることが明らかとなり、実験的に発生条件を検討した。しかしながら、実験的な検討のみでは不十分であり、平成25年度は当初の計画通りCAE解析および非線形振動解析を通して2次元フラクタルツリーの非線形振動特性を明らかにする計画である。 CAE解析に関する課題は、振動試験によって発生した連成振動がCAE解析では確認できなかったことであり、諸条件を工夫することによって現有のソフトウェアでも解析可能かどうかを検討する。一方では、非線形振動解析が可能なソフトウェアを導入し、同じ現象を非線形解析することによって、生じた現象がフラクタルに由来するものなのかどうか、見極めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は非線形振動解析が可能な解析ソフトウェアを導入し、これまでに観察された特異な現象について非線形振動の立場から検討する。 また、3年間の研究成果を日本機械学会における非線形振動関連の講演会や研究会にて発表し、投稿論文としてもまとめたいと考えており、研究費の一部をそのための旅費や論文投稿費に充てたいと考えている。
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Research Products
(2 results)