2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハミルトン系を規範とする省エネ運動制御理論と流体駆動ロボットへの応用
Project/Area Number |
23656168
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
玄 相昊 立命館大学, 理工学部, 准教授 (30344691)
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Keywords | 油圧回路 / 閉回路 / 増圧 / 油圧ハイブリッド / 精密サーボ |
Research Abstract |
昨年度,2つの油圧駆動回路を回路的に組み合わせることで,望ましい運動を達成する油圧ハイブリッドサーボ回路を発明し,特許出願した.本年度もその油圧回路を対象として理論的解析と実験結果の拡大を狙った.年度の始めはエネルギー保存という当初の観点から理論解析を行っていたが,5月に行った学会発表を境にして複数のメーカーから問い合わせが相次ぎ,アクチュエータの精度がどの程度なのか詳細なデータを提示する必要性に迫られた. 今年度は整定時間を大幅に短縮すべく,ポンプの再選定を行い,サーボモータの容量を変更,メインポンプを新たに購入して本体に搭載するなど,大幅な改良を行って実験を続けてきた.制御面においてもフィードフォワードを併用する2自由度制御を導入した結果,10ミクロンから0.5ミクロン(センサ分解能)までの整定時間を5秒まで短縮することができた.この結果をイノベーションジャパン2013等の見本市に出展し,出展会場においても実験室と同じ性能が発揮できることを確認した.また,昨年度出願した特許は国際特許に格上げした. このように,産業界に大きく貢献できる革新的な油圧回路を発明し,限られた予算で大きな成果を収めたものの,当初予定していたのは複数の油圧回路の合流・分流による周期運動であって,とくに理論面では発表できるほどの成果があがらなかったのが残念である.これから本研究はJSTのA-Stepにおいて継続する予定となっている.本研究で得られた基礎的な知見を高性能なプレスの実用化に活かそうというものであるが,新たに加えた性能目標の一つが高速性である.実はこれは本研究で達成できなった周期運動を鍛造プレスの往復運動で実現する意図を反映したものである.油圧プレスで高速省エネ周期運動を達成した成果を携えてもう一度,本研究で最初に掲げた目標に挑戦したい.
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Research Products
(9 results)