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2011 Fiscal Year Research-status Report

社会性昆虫の行動原理の数理モデルによる理解と計算行動生態学の創生

Research Project

Project/Area Number 23656169
Research InstitutionInternational Rescue System Institute

Principal Investigator

松野 文俊  特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構, その他部局等, 教授 (00190489)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsコロニー形成 / 分業 / 計算行動生態学 / 利地的行動 / 採餌効率
Research Abstract

本研究の目的は、真社会性を持つ昆虫である蟻を対象に研究を進め、コロニー形成メカニズムをシミュレーションによって理解することである。まず、採餌効率を指標として、最適化という観点で蟻の利他的行動や分業の有効性について議論し、蟻の種の特長と最適性についてシミュレータを使って解析し、理解する計画である。以下に、研究実績の概要を述べる。(1) モデル化とシミュレータの構築:行動生態学で観察実験により得られている蟻の行動に関する知見をモデル化し、有限オートマトンを用いたミクロモデルと個体の時空間密度の期待値を導入した偏微分方程式をベースにしたマクロモデルを導出し、シミュレータを構築した。まず、フェロモンコミュニュケーションと接触コミュニュケーションのモデル化を行なった。我々の先行研究を基に、フェロモンの拡散を偏微分方程式を用いてモデル化し、蟻の採餌におけるフェロモンを用いた他個体の誘引行動を有限オートマトンでモデル化した。また、接触することにより他個体のタスクの優先度を検知し、自己のタスクの優先度を変化させる行動を有限オートマトンを用いたモデルと確率を導入した偏微分方程式を用いたモデルで表現し、分業メカニズムの解析を行なっている。(2) 行動戦略の最適化と工学的応用の検討:構築したシミュレータを用いて採餌効率を指標として、最適化という観点で利他的行動や分業の有効性について検討している。まず、蟻のフェロモンコミュニュケーションによる他個体誘引行動や接触コミュニュケーショによる分業行動の採餌効率に対する影響のシミュレーションによる考察を行なっている。また、行動生態学研究において実験的観察から得られている蟻の行動規範の仮説の妥当性を、シミュレータを用いた採餌効率の最適化といった観点で検証している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1) モデル化とシミュレータの構築:1.フェロモンコミュニュケーションによる他個体誘引行動のモデル化、2.接触コミュニュケーションによる分業行動のモデル化、3.利他的行動である穴塞ぎ行動のモデル化、4.モデルを実装したシミュレータの開発、が達成できており、順調に進展している。(2) 行動戦略の最適化と工学的応用の検討:1.フェロモンコミュニュケーションによる他個体誘引行動の採餌効率に対する影響のシミュレーションによる考察、2.接触コミュニュケーションによる分業行動の採餌効率に対する影響のシミュレーションによる考察、3.シミュレータを用いた採餌効率を最適化する行動規範と生物実験による観察から得られている行動規範の仮説についての比較検討、を実施しており、順調に進展している。4.アリ型ロボットへの行動原理の実装、に関しては実施中である。

Strategy for Future Research Activity

(1) モデル化とシミュレータの構築:1.構築したモデルの再検討、2.シミュレータの改良、実施する予定である。(2) 行動戦略の最適化と工学的応用の検討:1.穴塞ぎ行動の採餌効率に対する影響のシミュレーションによる考察、2.架橋行動の採餌効率に対する影響のシミュレーションによる考察、3.蟻の最適な行動戦略の工学的応用の検討、4.アリ型ロボットへの行動原理の実装、を実施する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

設備備品:研究推進にあたって、シミュレータ構築用のハイスペックなデスクトップパソコンは必須である。消耗品:MATLAB, Mathmaticaなどのソフトウエアのライセンス数の不足分の追加も必要である。また、研究成果の公開の手段として論文別刷の配布も重要である。さらに、行動原理をアルゴリズム化し、アリ型ロボット(現有設備)に実装し、その有効性をアピールするためには、ロボットのメンテナンスが必要であり、そのための保守部品が必要である。旅費:研究成果発表や情報収集として日本動物行動学会、日本昆虫学会、行動生態学会、日本機械学会ロボメカ講演会、計測自動制御学会SI部門大会、日本ロボット学会学術講演会、などの国内学会に参加する予定である。また、SICE Annual Conference, IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, IEEE/RSJ Int. Conf. on Intelligent Robot Systems, IEEE Conf. on Control Applicationなどの国際会議に論文を投稿予定である。これらに参加するために学生を含めた旅費が必要である。 謝金:研究の方向性やモデルの妥当性を確認・検討するために、行動生態学の専門家との意見交換を行う必要があり、専門的知識の提供は必須である。また、シミュレータのソフト開発、データ整理などの作業に研究補助員の雇用および学生の雇い上げを予定している。論文投稿料:研究成果を広く公開することは重要だと考えており、論文という形で得られた知見を公開し共有するために、学会誌などに論文を発表する。そのための論文投稿料は必要である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Foraging Effectiveness of the Altruistic Plugging Behavior of the Army Ants2011

    • Author(s)
      Sohei Hanamoto and Fumitoshi Matsuno
    • Journal Title

      Proc. 2011 IEEE/SICE International Symposium on System Integration

      Volume: 1 Pages: 673-678

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Effectiveness of Tuning of Pheromone Trail Lifetime in Attraction of Robot Swarm2011

    • Author(s)
      Ryusuke Fujisawa, Yusuke Shimizu and Fumitoshi Matsuno:
    • Journal Title

      Proc. 2011 IEEE/SICE International Symposium on System Integration

      Volume: 1 Pages: 702-707

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] フェロモン・コミュニケーションによるロボット群の協調運搬2011

    • Author(s)
      藤澤 隆介 , 今村 光 , 松野 文俊
    • Journal Title

      情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM)

      Volume: 1 Pages: 1882-7780

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] グンタイアリの生態シミュレータ構築と利他行動が採餌効率に与える影響の考察2011

    • Author(s)
      花本惣平, 松野 文俊
    • Organizer
      第21回日本数理生物学会
    • Place of Presentation
      明治大学
    • Year and Date
      2011年9月14日
  • [Presentation] アリの行動モデルの構築と群における分業の有効性の検証2011

    • Author(s)
      三浦 裕介, 花本 惣平, 松野 文俊
    • Organizer
      第12回公益社団法人計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2011年12月23日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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