2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高畑 智之 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (80529652)
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Keywords | 知能機械 / マイクロ・ナノデバイス / 三次元加工 / 液体レンズ / 多層レンズ / 水晶体 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトの眼の水晶体と同程度に軽量かつ結像性能がよく、焦点調節機能を持つレンズを実現するために、水晶体と同様に液体を有機膜で多層にカプセル化した構造を有するレンズの研究を行った。 平成23年度は、光学シミュレーションによる水晶体の構造と機能の関係の解明、および非球面液体レンズ作製方法の研究を行った。光学シミュレーションについては、光学設計ソフトウェアCODEVを導入し、ヒトの水晶体の光学的モデルをもとに、光線追跡による光学特性のシミュレーションを行った。また、液体レンズの変形の計算について、有限要素法解析のソフトウェアであるCOMSOLを用いて計算することにし、計算モデルの作成を進めた。非球面液体レンズの形成のための型として、シリコンの三次元加工に関して検討した。これまでは三次元加工の深さが最大で100μmであったものを、最大で厚さ400μmのシリコンウエハを貫通するまで加工できるようにエッチング条件を調整した。これにより、曲面部の厚さが100μmの型を作製できるようになった。 平成24年度は、水晶体の多層構造の各層における屈折率の違い、および水晶体の曲率半径の変化に伴う光学特性の変化をシミュレーションした。前年度の有限要素法シミュレーションを発展させて、レンズの側面に半径方向に引っ張る力を加えたときレンズの変形を計算した。また、光学シミュレーションを発展させて、レンズ曲率半径を変えたときの光学特性として焦点距離、スポットダイアグラムなどの変化を計算した。さらに、液体レンズを変形させる方法を検討した。
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