2011 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲脳動脈瘤治療への道を開く外部磁場駆動型医療マイクロ構造体の実現
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23656178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光石 衛 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90183110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 直彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372406)
原田 香奈子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80409672)
森田 明夫 東京医療保健大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60302725)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロロボット / 脳動脈瘤治療 / 外部磁場駆動 / 非侵襲 / 血管内 |
Research Abstract |
平成23年度は,血管内でのマイクロロボットによる治療を実現するために,模擬血流内においてマイクロロボットの制御を試みた. そのために,マイクロロボットを壁面に拘束して駆動する方法を提案し,提案手法を用いて拍動する曲がり管の中でマイクロロボットを駆動した. 本年度は,マイクロロボットを血管の管壁に拘束し,外部磁場により駆動する手法を提案した.自由空間であれば姿勢と位置の6自由度の制御が必要である.しかし,マイクロロボットを管壁に押し付けることにより,マイクロロボットが持つ自由度は管壁表面における位置2自由度,回転1自由度となる.幾何学的拘束を用いて対象が持つ自由度を減らし,制御を容易にすることが基本コンセプトである. マイクロロボットが壁面に拘束されて進行する条件は不等式で表されるので,定常流中においては,発生磁場の方向と強さを一定にしたままでもマイクロロボットはある区間を通過する.そこで,マイクロロボットをあるポイントまで到達させるために,磁場を一定にした状態で通過が保証される区間を繋げていく方法を提案した.これにより従来の位置制御よりも非振動的な制御を行うことが可能であった.拍動流中においても基準流速に対してこの方法を適用することができる. 以上のように,血管内における壁面拘束を用いたマイクロロボットの外部磁場駆動を提案し,2次元の曲がり管において本手法を用いた実験を行い,乱れのある流れの中でのナビゲーションに有効であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,当初予定していた通り,実験装置に傾斜磁場発生用コイルを追加することで姿勢と位置を制御可能な実験系を構築できた.また,血管内におけるマイクロ構造体に働く揚力,浮力,重力,抗力と,ロボットに与える磁力を計算することにより,血管内でマイクロ構造体を制御するための理論を構築した. 以上のように,申請書に記入した「研究の目的」を予定通りに達成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の結果に基づき,マイクロ構造体を設計,製作する.FIB-CVDを用いて作成したマイクロ3次元構造体の単純な螺旋形状の先端には,アモルファスカーボンを堆積したものにニッケルでスパッタリングした線材を接合し,これを外部磁場で回転させることでマイクロ構造体を推進させることを検討する.さらには,螺旋形状だけでなく,複雑な3次元マイクロ構造体を設計,製作する.微細加工に必要なパラメータを決定した後,平成23年度に製作した外部磁場駆動装置を用いてマイクロ構造体を駆動する. また,平成23年度の計算に基づき,数mmの拡大モデルの設計,製作を行う.脳動脈瘤付近の血管分岐の形状を模擬した3次元モデルと血流を模擬した循環装置を作成し,平成23年度に構築した理論に基づいて拡大モデルを駆動する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)物品費(1)静止流体内におけるマイクロ構造体の選択的制御と小型化:マイクロ構造体を外部磁場で駆動する実験装置を開発するため,特注コイルの設計・制作及び機構の制作を行う.(2)血流内におけるマイクロ構造体の泳動:平成24年度にはその動脈瘤内の血流を模擬した流体の流速,流量を制御できる実験装置を開発する.(3)MRIを用いたマイクロ構造体駆動の基礎的研究:平成24年度には拡大モデルにより提案する理論を検証するためのコイルを特注で制作する.(2)旅費:国際会議や国内学会での発表を行うために必要な旅費を計上する.(3)その他:学術誌での論文発表を行うための論文投稿費を計上する.
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Electromagnetic Drive of Microrobot Geometrically Constrained in Blood Vessel2011
Author(s)
Nakamura, S, Harada, K, Sugita, N, Mitsuishi, M, Kaneko, M
Organizer
33rd Annual International Conference of the IEEE EMBS
Place of Presentation
Boston, Massachusetts USA
Year and Date
2011.8.30
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