2012 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲脳動脈瘤治療への道を開く外部磁場駆動型医療マイクロ構造体の実現
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23656178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光石 衛 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90183110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 直彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372406)
原田 香奈子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80409672)
森田 明夫 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302725)
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Keywords | マイクロロボット / 脳動脈瘤治療 / 外部磁場駆動 / 非侵襲 / 血管内 |
Research Abstract |
平成23年度の計算に基づき,数mmの拡大モデルの設計,製作を行った.脳動脈瘤付近の血管分岐の形状を模擬した3次元モデルと血流を模擬した循環装置を作成し,平成23年度に構築した理論に基づいて拡大モデルを駆動した. マイクロロボットを血管内で目的の位置に移動する際に必要な技術として,流体,特に拍動流中の制御,屈曲した血管内での移動,血管分岐点での進行方向の選択,マイクロロボットの位置情報取得によるナビゲーション・制御が挙げられる.平成23年度までに,拍動流中での制御,屈曲した血管内での移動手法が提案されているが,分岐選択については未着手であった.よって,平成24年度は分岐選択制御を対象とした. 具体的には,血管内医用マイクロロボットの分岐選択制御について,磁力の大きさと方向の分岐点流速に対する依存性の検証の必要性を示した.分岐がない場合の理論値以上の磁場勾配が分岐選択には必要であることを確認した.分岐選択に2方向の磁力方向を提案した上で,磁力0.0-0.4×10^-3 N,流速0.1-0.7 m/sにおける必要条件を示した. 結論として,到達経路垂直方向に磁力がかかる外部磁場は有効であるが,目標経路垂直方向に磁力がかかる外部磁場は磁力の影響が大きく,より効率的に分岐選択ができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,当初予定していた通り,血管内医用マイクロロボットの分岐選択制御について,磁力の大きさと方向の分岐点流速に対する依存性を検討し,実験的に示すことが可能であった. 以上のように,申請書に記入した「研究の目的」を予定通りに達成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に製作したマイクロ構造体の評価及び改良を行う.マイクロ構造体の速度,推進力を計測するための実験セットアップの設計,製作を行い,マイクロ構造体の位置を自動で検出・追跡するための画像処理を搭載する.また,平成24年度で開発した拡大モデルを微小化することでマイクロ構造体を設計,製作する.具体的には,静止流体内のマイクロ構造体用に開発したセットアップを用いて評価実験を行う.製作した実験セットアップを用いて,提案する駆動原理の基礎的な評価を行い,臨床応用の可能性について検討する.また,静止流体内・血流内用に開発したマイクロ構造体を使用した評価を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①物品費(1)マイクロ構造体の速度,推進力を計測を行うための実験器具を購入する.(2)さらに微小化したマイクロ構造体を製作するための費用を計上する. ②旅費:国際会議や国内学会での発表を行うために必要な旅費を計上する. ③その他:学術誌での論文発表を行うための論文投稿費を計上する.
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