2012 Fiscal Year Annual Research Report
水中気泡の個別制御とプラズマ同期による革新的促進酸化技術の研究
Project/Area Number |
23656192
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00272675)
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Keywords | プラズマ / 電気機器 / 水処理 / 水中プラズマ / 気泡制御 / 酸化処理 / 環境技術 |
Research Abstract |
高度水処理リアクタの刷新を目的として、水中気泡制御型プラズマリアクタを開発した。処理水内部にガスを導入して気泡を生成し、その内部にプラズマを生成する方式で、プラズマにより生成するOラジカル、OHラジカル、オゾン等の酸素活性種を、発生直後かつ直接的に水中有機物に作用させることができる。これまで気泡の生成制御ができなかったため、処理液とプラズマとの反応制御ができずにいた。本研究では、気泡生成を時間制御し、かつ気泡に同期して所定の時刻で気泡内にプラズマを生成させ、処理液との反応制御を可能とすること、またプラズマリアクタのエネルギー効率向上を研究の目的とした。 気泡生成ガスにはアルゴンおよび酸素を使用し、ガス流(40~100 sccm)に圧力脈動を重畳することで、脈動周期に同期した気泡生成技術を確立した。さらに気泡生成時間(10 ms程度)内の任意の時刻に、高電圧パルスを加えて気泡内部にプラズマを生成するシステムを構築した。この結果プラズマと処理液界面との作用時間あるいは任意の気泡形状でプラズマが生成できるようになった。 メチレンブルー(初期濃度12 mg/L)、酢酸(10 mgTOC/L)水溶液の酸化処理を行った。プラズマ生成時刻を変化させると、プラズマ投入電力量(エネルギー)は変化しないが、分解処理効率は変化し、最大気泡径となる気泡生成開始後7msにおいて最大分解量が得られた。これは気液界面におけるプラズマと処理液との接触状態、接触面積を最適化できた結果と考えた。 プラズマリアクタの大型化に向けて、生成気泡数(=プラズマ数)10個のリアクタを開発した。同時にプラズマ駆動回路における電力損失を低減するため、抵抗素子に替えて、電力損失がほぼ無視できるインダクタ素子、およびキャパシタンス素子を使用した。この結果,駆動回路の効率は従来比約2倍となり、実用化に向けた技術開発に成功した。
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Research Products
(6 results)