2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノ・マイクロ/スポレーションポリマ粒子分散系による大電流アーク遮断の新技術創出
Project/Area Number |
23656194
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上杉 喜彦 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90213339)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | アーク / 遮断器 / ポリマー / アブレーション / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は,マイクロ・ナノポリマ粒子混合ガスによるプラズマ高速クエンチング能力を実験的に明らかにすることである。この目的達成へのアプローチとして平成23年度は以下のことを実施した。1.ナノ・マイクロ粒子供給法の検討:パウダをプラズマに供給する方法として,直接パウダを外部から投入する方法と,バルク材からのスポレーション現象を利用して,アブレーションとともに固めた粒子を噴出させる手法などを検討した。2. ポリマバルクへのプラズマ照射によるスポレーションマイクロ粒子の飛翔観測実験:ナイロン系ポリマに熱プラズマを照射するとスポレーション現象により粒子が飛翔する。その様子を高速度カメラで観測した。さらにその粒子の飛翔頻度を画像処理によりカウントする手法を提案した。本手法を用いてナイロン66,ナイロン6のスポレーション現象周期を検討した。3. ポリマ粒子混合アーク遮断装置の設計・開発:本実験においては,アークプラズマ基礎物性取得のため150A-300V級の直流配電系統を想定し直流電源を用い「アーク装置」を設計製作した。アーク装置は,ポリマパウダを導入できるようにパウダ供給器に接続した。チャンバは円筒型ステンレス製とし,観測窓を4方に設置した。4. 直流アークプラズマ点弧実験:設計・製作したアーク装置に電源を接続してアークプラズマ維持実験を行った。プラズマの点弧は電源のパイロット電源あるいは銅線短絡にて行ったところ実際にアークプラズマの維持を確認できた。電流はCTにより,電圧は分圧器により測定できるようにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り,熱プラズマのポリマーバクル材照射によるスポレーション粒子の高速度ビデオ観測,さらには新規にアーク装置の設計と導入が行えている。この装置により予定通りアークの維持も確認できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,スポレーション粒子のアブレーションの様子を,干渉フィルタをつけた高速カメラにより観測することを行っていく。干渉フィルタはポリマ蒸気のC2スペクトル(460nm Swan)を透過するものを用いる。これにより,スポレーション粒子の飛行とどの位置で溶発するのかを実験的に明らかにしていく。また,ポリマが混合したプラズマの分光観測を行う予定である。C2分子スペクトルSwanシステムの理論計算と,実験データとのFittingによりアークプラズマの温度(C2の振動温度,回転温度)を求めることを予定している。これらから熱プラズマ照射・アークへのポリマ混合実験をまとめ,熱プラズマ照射によるスポレーション粒子飛散,アブレーションの様子観察・アークへのポリマ混合実験,アーク温度への影響を明らかにしていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
|