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2011 Fiscal Year Research-status Report

磁性流体を利用した柔らかいエネルギーデバイスの開発

Research Project

Project/Area Number 23656196
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

岩田 聡  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60151742)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加藤 剛志  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303665)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords磁性流体 / 磁性多層膜 / 柔らかい電力デバイス / 電磁誘導 / 磁性微粒子 / 発電素子 / エネルギーハーベスティング
Research Abstract

酸化物磁性粒子に溶媒を加えて作製された磁性流体を購入し,その特性を調べた。まず,ビーカーに入れた磁性流体が,外部から希土類磁石を近づけることで,平坦な表面が変形し,磁界を加える方向によっては,トゲのような円錐形の盛り上がりが観察されることを確認した。次に,磁性流体を利用したトランスの試作を行った。磁性流体を入れるためのトーラス型のガラス容器を設計・製作した。トーラス形の直径を80mmφ,断面を10mmφとし,トーラス形のガラス容器は,半円形に切断した。外径約40mmφ,巻数約300ターンのコイル2個を半円形のガラス容器にはめ込んだ後,ゴムチューブで連結し,注ぎ口から磁性流体を注入した。一方のコイルに60Hzの電流を流すことによって,他方のコイルに60Hzの電圧が誘導されることをオシロスコープで確認した。トーラス形容器の断面積が小さいため,変圧器としての結合係数は,1よりかなり小さい。正確な評価は,今後の課題である。次に磁性微粒子の微視的な振る舞いを観察した。DCスパッタにより垂直磁化したCo/Pt多層膜を作製し,その磁区形状が迷路磁区構造となっていることを磁気力顕微鏡により観察した。その表面に磁性流体を希釈したものを塗布して,磁性微粒子の付着する様子を原子間力顕微鏡で観察するとともに,磁気力顕微鏡で観察した。その結果,10nm前後のサイズの磁性粒子が,磁壁位置に沿って表面に付着していることが明らかとなった。これは,磁壁位置付近の漏れ磁界が最も高いためと考えられる。磁壁位置から横方法と鉛直方向に離れたときの磁界の強さを数値計算により求め,磁性微粒子の吸着力について考察を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

磁性流体という液体材料の取扱いに慣れていないため,液体を密閉する容器の開発,また,密閉した容器に外部より磁界を加える方法など,検討すべき課題が多かった。本課題は,過去に研究例がまったくなく,また,研究代表者・分担者もこのテーマには経験がないため,試行錯誤が必要であり,今のところ,十分研究が進展しているとは言えないが,これまでの検討に基づき,2年目には,計画された目的が達成できるよう努力したい。

Strategy for Future Research Activity

磁性流体を利用したトランスの結合係数やどれほどエネルギーが取り出せるかについて,定量的な検討を行う。また,ゴムチューブに磁性流体を満たし,ゴムチューブのまわりに300~1000ターンほどのコイルを配置したデバイスを作製する。この場合,外部から静磁界を加えながら,ゴムチューブを押し付けて,中の磁性流体を流動させると電磁誘導により,コイルに電圧が誘起される。この電圧を利用して電気エネルギーとして利用可能な回路,すなわち,整流回路と電気二重層キャパシタを組み合わせたエネルギーハーベスティング素子を作製する。また,ゴムの容器の形状やコイルの形状についても検討し,最も発電効率のよい組合せを探索する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費は,消耗品と旅費に使用する。消耗品としては,磁性流体などの薬品,磁性微粒子などの材料,ガラス器具やゴム材料など柔らかいデバイスを作製するための材料,微粒子や多層膜を作製するためのスパッタリング装置の各種部品(銅ガスケット,真空バルブ,基板材料など)などを購入する。また,研究テーマに関連する調査及び研究成果の発表のための旅費として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Observation of bit boundary in ion irradiation planer patterned CrPt3 using dark-field transmission electron microscope2012

    • Author(s)
      D. Oshima, E. Suharyadi, T. Kato, S. Iwata
    • Journal Title

      J. Magn. Magn. Mat.

      Volume: 324 Pages: 1617-1621

    • DOI

      10.1016/j.jmmm.2011.12.019

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] MBE成長したFePd-Agグラニュラー膜の構造と垂直磁気異方性2011

    • Author(s)
      瀬戸陽介,池田遼太,加藤剛志,岩田聡
    • Organizer
      第35回日本磁気学会学術講演会
    • Place of Presentation
      新潟コンベンションセンター
    • Year and Date
      2011年9月29日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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