2012 Fiscal Year Annual Research Report
生物の最適ネットワーク構造探索機能を利用した超高バンド幅集積回路配線形成の試み
Project/Area Number |
23656213
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 英一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (70304871)
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Keywords | 超臨界流体 / 粘菌 |
Research Abstract |
1.粘菌の培養とネットワーク探索解の実証 恒温槽を導入し、寒天上の培地に粘菌(モジホコリ)を安定に培養する手法を確立した。粘菌はエサを求めてパターンを形成する。このパターンが既報にあるようネットワーク解(例えば鉄道網)が求められる確認した。 2.貴金属の超コンフォーマル厚膜堆積手法の確立 本研究課題では、生物の超立体的微細構造を金属に転写する技術として超臨界流体中堆積法を主として用いている。昨年度は超臨界二酸化炭素流体中に金属錯体を溶解し,葉脈標本表面の直接Cuメタライズが可能であることを確認した。計画では耐食性の高い貴金属を用いて転写を行った後、導電性の良好なCuを用いてメタライズを行うことしている。そこでPtのコンフォーマル堆積条件を検討した。PtはCuなどと異なり下地上に容易に形成されないことがわかった。これを回避するため、2段階成膜法を開発した。これは、核発生のための堆積と成長のための堆積をそれぞれ独立に連続して行うもので、この結果すでにPtが核発生を通じて形成された<10 nmの極薄Pt膜上にPt厚膜が容易に堆積されることを確認した。 3.葉脈および粘菌のメタライズと絶縁膜中へのエンベッド 昨年度は葉脈試料の超臨界Cuメタライズを検討した。今年度は、対象を粘菌に拡張し、さらにPt被覆も試みた。その結果、いずれの系においても良好な被覆性を確認した。分析の結果得られた各層は不純物の少ない純金属であり下地との反応もみられなかった。堆積温度は200~250℃と生体試料のプロセス温度としては高い。にもかかわらず、生体組織の形状を維持しているのは超臨界流体のゼロ表面張力・乾燥能によるものであり、有望である。また、無電解めっきによっても堆積を行った。特別な前処理なく堆積可能であることも特筆すべきことである。最終的な埋め込み構造を作成するために、塗布ガラス内への埋め込みを試みた。
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Research Products
(7 results)