2012 Fiscal Year Research-status Report
磁気機能を有するバイポーラー抵抗スイッチング素子のメモリスター応用
Project/Area Number |
23656215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 敏浩 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90293886)
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Keywords | 抵抗スイッチング / メモリスター / ReRAM / 分光エリプソメトリー / 交流インピーダンス法 / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、Pr1-xCaxMnO3(PCMO)等のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を用いたバイポーラー抵抗スイッチング素子において、電気特性と磁気特性の相関関係を調べることにより、そのメモリスター応用に向けて、素子の構成材料の物性を最適化することを目的としている。これまでに、我々は交流インピーダンス法によるReRAM素子の解析を進め、Al/PCMO/Pt素子では、素子全体の抵抗変化に対してAl電極とPCMO薄膜との界面における抵抗変化が支配的であることなどを見出してきた。一方で、Pr/Ca元素組成比や結晶化の割合を変えたPCMO薄膜を用いた素子の解析も進め、PCMO薄膜そのものの物性が素子の抵抗スイッチング特性に対して影響を及ぼすことも確認した。平成24年度は、磁気機能を有するペロブスカイト型酸化物薄膜で生じている物理化学現象に注目し、分光エリプソメトリー法による解析作業を進めた。具体的には、分光エリプソメトリー法により観測されたスペクトルをLorentz振動子モデルによって再現することに成功し、PCMO薄膜の誘電関数および膜厚を決定した。また、PCMO薄膜の誘電関数が薄膜成長条件に依存することを見出し、薄膜成長条件の違いにより生じたPCMO薄膜の電子状態および格子構造の変化が誘電関数に及ぼす影響を調べた。さらに、PCMO薄膜の誘電関数と素子の抵抗スイッチング特性との間の相関についても解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電極とPr1-xCaxMnO3(PCMO)薄膜との界面状態のみならずPCMO薄膜そのものの物性も素子の抵抗スイッチング特性に対して影響を及ぼすとの知見が得られたことから、PCMO薄膜で生じている物理化学現象に着目して、分光エリプソメトリーによる解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ペロブスカイト型Mn酸化物に加え、磁性金属の添加により希薄磁性半導体としての磁気機能を付与されたペロブスカイト型Ti酸化物であるCr添加SrTiO3とFe添加SrTiO3等を用いた素子にも注目し、その電気特性を比較・解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成膜実験に必要な基板材料、高純度プロセスガスなどの購入のために使用する予定である。また、成果発表のための旅費に加えて、研究成果投稿料等にも、得られた研究成果を広く発信するためにも使用する予定である。
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Research Products
(13 results)