2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁気機能を有するバイポーラー抵抗スイッチング素子のメモリスター応用
Project/Area Number |
23656215
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
中村 敏浩 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (90293886)
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Keywords | 酸化物エレクトロニクス / ペロブスカイト / 抵抗スイッチング / ReRAM / メモリスター / 交流インピーダンス法 / 分光エリプソメトリー |
Research Abstract |
本研究は、Pr1-xCaxMnO3(PCMO)等のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を用いたバイポーラー抵抗スイッチング素子のメモリスター応用に向けて、素子の構成材料の物性を最適化することを目的としている。これまでに、我々は、Pr/Ca元素組成比や結晶化の割合を変えたPCMO薄膜を用いた素子の解析を進め、PCMO薄膜そのものの物性が素子の抵抗スイッチング特性に対して影響を及ぼすことを確認した。平成25年度は、ペロブスカイト型酸化物薄膜で生じている物理化学現象に注目し、分光エリプソメトリー法による解析作業を進め、PCMO薄膜の光学特性と素子の抵抗スイッチング特性との間の相関について調べた。 また、これまでに、交流インピーダンス法による抵抗スイッチング素子の解析も進め、Al/PCMO/Pt素子では、素子全体の抵抗変化に対してAl電極とPCMO薄膜との界面における抵抗変化が支配的であることなどを見出してきたことから、薄膜と電極の界面の酸化状態が抵抗スイッチング特性に及ぼす影響を系統的に解析した。具体的にはPCMO薄膜の表面を大気圧プラズマにより生成したヒドラジンあるいは水素プラズマにより還元処理することにより、素子の電気特性がどのように変化するかを調べた。このような還元処理により、電極近傍の薄膜中の酸素欠陥濃度を系統的に変えることにより、抵抗スイッチング動作の根幹である電極界面酸化物の生成反応の進み具合を変えることができるものと考えられる。薄膜表面に還元処理を施すことにより、抵抗スイッチングに必要な電圧値を低減できるという有用な結果が得られた。
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Research Products
(10 results)