2012 Fiscal Year Annual Research Report
液晶能を利用した熱拡散法による燐光発光高分子トランジスタの開発
Project/Area Number |
23656218
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梶井 博武 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00324814)
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Keywords | 電子・電気材料 / 電子デバイス / 有機導体 / 分子性固体 / 光物性 / 有機発光トランジスタ |
Research Abstract |
液晶能を有する導電性高分子が熱処理により自己組織的に配列する現象を利用し、有機トランジスタに光機能を付加する方法として、熱拡散による高分子薄膜中への燐光材料の拡散の制御を試みた。燐光材料ドープ導電性高分子薄膜を用いた高効率燐光発光高分子トランジスタの実現に向けて検討を行い、単分子層蒸着させた赤色燐光材料を高分子薄膜中に拡散させた場合、高効率化が図られた。結晶性薄膜を用いた有機層/絶縁膜界面にキャリアが伝導する燐光有機発光トランジスタの作製に成功し、従来報告された素子に比べ、赤色燐光有機発光トランジスタ素子としては、最高レベルの発光効率が得られた。 青色レーザー光を用いて、熱拡散させたポリアルキルフルオレン結晶薄膜における分光測定から、ホストからゲストへのエネルギー移動の検討を行った。赤色燐光材料であるtris[1-phenylisoquinolinato-C2,N]iridium(III) (Ir(piq)3)を拡散ドープさせたポリアルキルフルオレン結晶性薄膜から、2成分以上の蛍光発光の過渡特性が観測され、さらなるゲスト材料の選択により高効率化が図れることが示唆された。 また、ソース・ドレイン電極からの注入によっても、発光効率や発光強度が影響を受け、有機発光トランジスタ特性の主に銀電極とITO電極を用いたソース・ドレイン電極依存性に関しても検討を行った。ゲート電圧の掃印によるソース・ドレイン間での発光サイトの位置や動的変化の観察から、有機薄膜中における伝導に関する情報を、光学的情報として得て、解析から高効率化に向けて検討を行い、銀電極の場合、電極近傍での励起子消光の影響が大きく、ITO電極を用いることで、その影響を抑えられることを見出した。
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Research Products
(13 results)