2011 Fiscal Year Research-status Report
実環境の中で自立する集積システムのための複合エネルギーハーベスティング技術
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23656227
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小谷 光司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20250699)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | エネルギーハーベスティング / 環境エネルギー発電 / 複合環境エネルギー |
Research Abstract |
本研究では,複合エネルギーハーベスティングにより実環境の中で自立する集積回路技術を確立することを目的としている。平成23年度は,(A) 各種環境エネルギー源の特性検証,(B) 複合エネルギー獲得の具体例に関する試作評価について研究を実施した。(A) 各種環境エネルギー源の特性検証 各種環境エネルギー源の特性を検討し,利点,欠点,制約条件等を総合的に検証した。環境電波から直流電力を獲得する高周波整流回路において,効率に大きく影響を与えるMOSトランジスタのしきい値を補正するために,太陽電池を利用することが効果的であることが分かった。具体的には,トランジスタのしきい値補正のためには,比較的小型の太陽電池(PN接合)に室内環境程度の光量を照射するだけで十分であることが確認された。(B) 複合エネルギー獲得の具体例に関する試作評価 (A)でまとめた方針に基づき,具体的な組合せに対して試作評価を通して実際の効果を評価検証した。具体的なターゲットしては,環境電波から直流電力を獲得する高周波整流回路を取り上げた。整流回路を構成するMOSトランジスタのゲート電極に光発電電圧を印加してMOSトランジスタのしきい値を補償するための太陽電池(PN接合)を付加した回路を設計し,集積回路試作サービスにて0.18um技術で試作した。測定の結果,室内環境程度の光量で十分な起電力が得られしきい値補正により電力変換効率が向上することが確認された。現在その成果に関して学会発表準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初平成23年度に計画した研究内容は予定通り実施されており,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,今年度に引き続き,各種環境エネルギー源の特性検証や複合エネルギー獲得の具体例に関する試作評価を推進すると共に,電力安定化・制御技術に関する検討を実施する。さらに,検討結果を取りまとめると共に実用化に向けての課題整理を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,今年度の集積回路試作や測定評価を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり,平成24年度請求額とあわせ,次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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