2012 Fiscal Year Research-status Report
グラフェン装荷光導波路を用いた光制御ピコ秒光スイッチの研究
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23656243
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 信夫 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (60170461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳谷 伸一郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (40314851)
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Keywords | 光スイッチ / 非線形光学効果 / グラフェン |
Research Abstract |
1.単層グラフェンを用いた光スイッチング特性の検討:光スイッチングの制御として、ラマン増幅による光信号振幅の制御の代わりに、グラフェンの可飽和吸収特性による光信号振幅の制御を提案した。以前に提案している2段の干渉計からなる光スイッチ構成において、2枚の単層グラフェンを導波路断面に垂直に挿入した構成あるいは導波路上にグラフェンを装荷した構成により、偏波あるいは波長の異なる10mW/μm2の制御光でスイッチング動作が可能なことを明らかにした。ただし、減衰による制御のため、垂直挿入型では10.2dBの挿入損失を伴う。装荷型における挿入損失については、さらに検討を要する。 2.グラフェンにおける垂直入射非線形光学効果の検討:グラフェンによる非線形光学効果の評価を行うため、CVDにより作製された銅箔上の単層グラフェンから基板等への転写を実験的に行った。ガラス基板上に転写したグラフェンおよび光ファイバ端面に転写したグラフェンを用いてフェムト秒レーザによる可飽和吸収特性を確認した。また、ラマン分光により、転写したグラフェンが単層であることを確認した。 3.グラフェン薄膜を装荷した光導波路における非線形光学効果の検討:ソーダガラス基板上にカリウムイオン交換導波路を作成し、その上に単層グラフェンを装荷した。フェムト秒レーザを導波し、TEおよびTMモードに対する挿入損失を測定し、10dB以上の変調幅で光減衰が制御できることを確認した。また、TMモードに対する減衰はTEモードに比べて光信号が弱いとき10dB程度あり、光強度とともに差が減少することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グラフェンを用いた光スイッチに関する設計および解析結果を行い、国際会議で報告するとともに学術雑誌に論文発表することができた。 グラフェン装荷光導波路を作製し、ラマン分光により良好な単層グラフェンが装荷できていることが確認できた。その導波路にフェムト秒レーザを導波し、目的とした可飽和吸収特性を確認することができた。この成果に関しては、2013年7月の国際会議で報告する予定である。 しかしながら、光スイッチとして用いるための、波長あるいは偏波の異なる制御光による信号光の制御が確認できていない。光導波路への光結合等を検討し実験を行っていく予定である。さらに、光スイッチの導波路構成での素子の試作がまだ行えていないため、光導波路回路の作製手法を含めて検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
信号光を制御光でスイッチングするための基礎実験として、グラフェン装荷単一光導波路における制御実験を行う計画である。そのためには、結合損失を提言する光結合手法を検討していく必要がある。また、制御光をナノ秒程度のパルスで実験するための光パルス生成器や光変調回路等を含めた実験システムの構築を行っていく必要がある。 光スイッチ導波路回路の作製に関しては、レーザ光描画装置でのパターン描画や外注による作製を含めた検討を行っていく予定である。材料としてニオブ酸リチウム、ガラス、シリコン等を用いた素子試作を検討していく。 グラフェン装荷光導波路における誘導ラマン増幅に関しては、波長多重光に対する波長毎の制御が可能となるため、さらなる基礎的検討および基礎実験を計画していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越額25,928円は消耗品として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)