2012 Fiscal Year Research-status Report
パーシャルレスポンスを用いる高効率無線パケットアクセスの研究
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23656256
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐和橋 衛 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (50449287)
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Keywords | 移動通信 / マルチアクセス / パーシャルレスポンス / ターボ干渉キャンセラ / OFDMA / シングルキャリアFDMA / ターボ符号 / ダイバーシチ |
Research Abstract |
1. 直交周波数分割多重アクセス(OFDMA: Orthogonal Frquency Division Multiple Access)およびDiscrete Fourier transform (DFT)-precoded OFDMAにおけるパーシャルレスポンス(PR: Partial Response)を用いる計算機シミュレーション系の構築 OFDMA送信部における周波数領域の畳込み,位相シフト,多重処理から構成されるPR多重部の計算機シミュレーションプログラムを作成し,1OFDMシンボル区間に2チャネルの信号をPR多重した送信スペクトルから送信処理の妥当性を確認した.さらに,OFDMA受信部の平均2乗誤差最小(MMSE)アルゴリズムを用いる線形フィルタを用いてPR多重された信号分離動作を確認した. 2. DFT-Precoded OFDMAを用いるターボ周波数領域等化(FDE: Frequency Domain Equalizer)および繰り返し判定帰還チャネル推定の特性評価 PR多重では,シンボル間干渉を除去するために,ターボFDE(ソフト干渉キャンセラ)が必須である.そこで,DFT-precoded OFDMAにおけるターボ符号および低密度パリティチェック符号を用いた場合のターボFDEのシミュレーションプログラムの実装,特性評価を行った.シミュレーション結果により,QPSK, 16QAMおよび64QAMともに,ターボFDEは繰り返し回数が2で目標平均ブロック誤り率を満たすための所要平均受信SNRの改善がほぼ飽和することを示した.さらに,ターボFDEにおいて,約15 dB以下の平均受信SNRの動作領域で繰り返し判定帰還チャネル推定の参照信号のみを用いるチャネル推定からの所要平均受信SNRの改善効果が得られることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C言語による計算機シミュレーションプログラムの実装および特性検証の作業が,若干,遅れている.今後は,担当の学生のリソースを増大して,プログラムの実装の作業を推し進める.
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Strategy for Future Research Activity |
OFDMAおよびシングルキャリアFDMAにおいてPR多重を行った場合のシンボル間干渉を除去するために,ターボFDEを適用した場合のブロック誤り率,およびスループット特性の検証を行う.チャネル符号化として,ターボ符号およびLDPC符号を用いた場合の特性を検証する.また,PR多重を実現する高効率なフィルタ関数を検討する.さらに,PR多重を行った場合のチャネル推定誤差の影響の評価および高精度チャネル推定法を確立する.また,考案した送信処理および受信処理の特許化を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の繰り越しは2円であり,ほぼ予定通りに執行したと言える.平成25年度の研究費は,計算機シミュレーションにより,様々な伝搬条件におけるパーシャルレスポンス多重の特性評価を行うため,主に計算機シミュレーション用のパーソナルコンピュータの購入に用いる.また,投稿論文の別刷り代に用いる.
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Research Products
(4 results)