2012 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関間の安全な接続可能とする医療用ネットワーク基盤技術の研究
Project/Area Number |
23656258
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小尾 高史 東京工業大学, 像情報工学研究所, 准教授 (40280995)
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Keywords | 情報基盤 / セキュアネットワーク / 社会システム / 医療情報 |
Research Abstract |
本研究は,現在利用が開始されている医療機関向VPNを標準的技術へ移行させることを目的とし,異なるサービス事業者が提供するルータ間接続への対応と,医療機関内に設置された情報端末の認証,端末利用者の認証を利用する次世代医療用ネットワーク基盤の技術的要件をまとめ,日本全国のすべての医療機関,薬局などが安心して利用できるネットワークを構築するための基盤技術の確立を目指している. 平成24年度は,異なるサービス事業者が提供するOD-VPNルータ間の接続や外部医療機関間の接続に必要となる名前解決などを,DNSで使用されている分散管理構造を適用することで,安全かつ簡便に相互接続を実現する手法を研究した. 具体的には,異なるサービス事業者の提供するサービスドメイン同士でのVPN相互接続を可能とするために,各サービスドメインにドメイン名をつけ,各管理機関は配下のネットワークドメインのドメイン名とそのネットワークドメインで利用しているOD-VPNルータのIPアドレスの関係を管理する医療用ネットワークにおける「rootサーバ」を新たに設置する仕組みを提案した.また,相互接続の際に必要となるプライベートイIPアドレスに関する課題を解決するために,ネットワークドメイン内で実際使用しているプライベートIPアドレスとは異なるIPアドレスを利用してVPN構築後の通信を行う手法を提案した. さらに,評価用プロトタイプシステムを実装し,提案した相互接続手法の評価を行うことで,提案する手法によるVPN構築が過度のオーバーヘッドを有しないこと,及び,攻撃試験の結果より,ネットワーク上の脅威を検知可能であり,安全なVPNの構築が可能であることを示し,提案手法の実現可能性及び実用性を明らかにした.
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