2012 Fiscal Year Research-status Report
磁壁移動・磁束変化の同時計測技術開発と磁壁・格子欠陥の相関メカニズム解明への展開
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23656259
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菊池 弘昭 岩手大学, 工学部, 准教授 (30344617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 和志 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20203036)
枦 修一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90324285)
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Keywords | 磁壁移動 / 磁区構造 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
本年度は、昨年得られた知見に基づき、磁区制御を目的とした素子の作製を行い、その素子の磁区観察を中心に研究を遂行した。以下、その成果をまとめる。 1. 磁区構造制御を目的とした素子のマスク設計を行い、それらと成膜、微細加工技術、磁界中熱処理を用いて磁区観察用素子の作製を行った。2. 1. で作製した素子の静的・動的磁区観察を行った。3. 素子中に人工的に欠陥を模擬した空隙を設け、その形状や寸法を変化させることにより、欠陥が磁区構造及び磁壁移動に及ぼす影響を検討した。4. 欠陥を設けると外部磁界ゼロのときには、その欠陥を横切るように180度磁区が形成されることを確認した。また、これらの磁区は低磁場領域においては、ほとんど移動することなく、欠陥にピン止めされることが明らかとなった。5. 素子全体の形状、欠陥の数や配置により、磁区を細分化させたり、逆磁区を残留させたりできることが明らかとなった。6. 異方性の角度制御によっても不連続な磁壁移動、連続的な磁壁移動の制御が可能であることを明らかにした。4.~6.の結果は磁壁移動とコイル出力の同時観察を行う上で、重要な知見となる。今年度得られた結果を基に、コイル配置の設計が可能となった。次年度の早い段階で、磁壁移動とコイル出力の同時観察のための素子設計を行い、素子作製、同時計測を実施する。また、本年度検討した欠陥は、格子欠陥と比較すると相当大きいので、より小さな欠陥の導入を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成膜装置の不具合のため、所望する磁気特性が得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施予定であった磁区観察及び検出コイル出力の同時モニタリングを年度の早い時期に実施する。磁壁移動(移動速度や移動距離)と検出コイル(コイル寸法、リフトオフやコイル配置を変化)出力との定量的対応について実験的に明らかにする。また、模擬欠陥を導入して欠陥と磁壁の相互作用が生じた場合の磁壁移動と検出コイル出力との対応について検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成膜装置の不具合のため、コイル形成プロセスに若干遅れを生じた。よって24年度使用予定であった予算をそのマスク作製や素子作製費用として25年度に使用する。また、素子作製では学外施設を使用するので、その旅費と素子作製における消耗品に使用する。
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Research Products
(2 results)