2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23656270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉江 俊治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80171148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40420400)
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Keywords | 量子化出力 / 粒子フィルタ / 確率的制御器 |
Research Abstract |
本研究では,低解像度の出力情報や大幅に情報圧縮された状態観測値などの不完全観測情報しか利用できないシステムを対象とし,所期の機能・精度を達成する高性能な制御系の設計法を確立することを目的としており,H24年度については以下の2項目について,研究を進めた. ① 量子化出力データ下での確率的最適化を基礎とした制御系設計:データの情報不足を補う基礎は対象システムの精密なモデル化である.より広いクラスのシステムを記述できるマルチモデルのパラメータ推定に着目し,粒子フィルターを用いることにより高精度で推定できることを示した.一方, 量子化出力に基づく元信号の高精度再構成についても,低い解像度の位置センサ情報から高解像度の速度情報が得られることを成果を発表した.さらに,この一般化についても検討をおこなった. ② 不完全観測情報下における確率的制御器の解析と制御:ミツバチの蜜源選択を司る確率的制御器のモデル化を行なった.このモデルは,5つの状態値をもつマルコフ連鎖系と非線形差分方程式を組み合わせることで得られたものであり,蜜源の蜜量に比例して働きバチの数が割り当てられるという機能を有していることをシミュレーションにて確認した.また,微生物の走化性を司る確率的制御器を,群ロボットシステムに応用することを想定し,そのときに得られる機能の整理を行った.その結果,確率的制御器を用いることによって,近傍ロボットの相対距離の情報だけでフォーメーション形成できることを発見した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している. 粒子フィルタを用いたマルチモデル推定に関しては雑誌掲載論文として発表している. また,低い解像度の位置センサ情報から高解像度の速度情報が得られるという成果に関しても米国機械学会の雑誌掲載論文として発表している.確率的制御器に関しては,ケーススタディーに基づく検討が主体であったが,より一般的な群ロボットシステムへの応用に関して基礎的知見を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
低解像度出力の下で,粒子フィルタを用いたシステム同定について検討を進める. また,不完全観測情報下での制御系設計手法の具体化についても考察を進める.群ロボットに関しては,現在,実験システムを構築しており,完成し次第,実機実験を開始する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究成果に関する討議と情報収集のために国際会議に出席する等,海外出張費用計70万円. 成果報告および情報収集のための印刷費および国内出張費25万円.高速計算のためのPC購入費40万円. 書籍費等その他の費用15万円.
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