2011 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッドシステムの制御問題に対する制約プログラミングを用いた方法論の開発
Project/Area Number |
23656274
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
延山 英沢 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50205291)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 制御系設計 / ハイブリッドシステム / 最適化 / 国際研究者交流(米国) |
Research Abstract |
本研究は,連続時間系のダイナミックスとスイッチングなどの切り替えや論理式などとが混成した制御システムとしてのハイブリッドシステムを対象とし,制御系設計問題などの制御問題を,制約プログラミング問題として定式化した上でソルバーを用いて数値的に解くという手法を開拓し,ハイブリッドシステムに対する新しい方法論として展開していくための萌芽的な研究を行うことを目的しており,本年度は一般化をする前の準備として特定の問題を対象として,その可能性を探ることを行った.具体的には,連続時間ダイナミックスが出力の値によってフィードバックゲインが変化する出力依存切換え型フィードバック制御系というハイブリッドシステムの制御系設計において,切り替え点の最適化問題を対象とし,その問題が,混合論理ダイナミックシステムを介して,混合整数計画問題として定式化できることを示した.そして,その成果をまとめ,国内学会で口頭発表した.さらに,それと並行し,混合整数計画問題に対して分子限定法を用いて解くための独自ツールの開発を進めた.現在,連携研究者が開発した制約プログラミング問題のソルバーは,離散問題だけに対応し連続問題が含む問題を扱うことができない.そのため,この制約プログラミング問題のソルバーを連続問題を含むものに拡張することを考えていかなければならないが,独自ツールの開発を進めたことにより,今後考えていく拡張において,大変重要な知見を得ることとなった.また,連携研究者が開発したソルバーの性能を評価するため,ベンチマーク問題を用いて市販されているソルバーとの比較評価を行い,国際会議などへの投稿準備のために,論文としてまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終的な目的は,連続ダイナミックスと論理式との混成からなるハイブリッドシステムに対する制御問題を,制約プログラミング問題として定式化しソルバーを用いて数値的に解くという手法を開拓し,ハイブリッドシステムに対する新しい方法論として展開していくための萌芽的な研究を行うことであり,具体的には,連続ダイナミックスと論理式等との混成モデルに対する制御問題を制約プログラミング問題として表現する標準形の考案と,その標準形の解を求めるソルバーの開発を制約プログラミングのソルバー開発を行うことである. この目的に照らし合わせ,本年度は標準形を求める前の試行として,特定の問題に対しての試行を行った.それが直接制約プログラミング問題に帰着できたわけではないが,混合整数計画問題の分子限定法による解法をとして帰着できる可能性を示すことができ,目的に対して第一歩は踏み出せたものと考える.同時に,独自ツールの開発あるいは連携研究者が開発したソルバーの評価を行うことにより,来年度以降につながる知見が得られたものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の特徴は,制御工学を専門とする研究代表者と,制約プログラミング問題のソルバーを開発した海外連携研究者が共同で行うことにあり,お互いが深く議論をして進めることが重要である.そのため,互いに訪問し,密に議論を行うことを中心に研究を進めていく.また,研究代表者が理論的考察などを行うのを中心に行い,海外連携研究者は自ら開発したソルバーの拡張を行っていく.そして,研究目的を達成するために,共同してお互いの成果を合算していくという方策をとる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,本研究の最初の年度として,海外連携研究者との研究計画の確認や研究内容の議論を行うために,研究費を主に海外連携研究者を訪問するための旅費として使用し,研究に必要となる物品を購入した結果,少額の研究費の残が出たので,次年度の研究費と合算し,研究代表者と連携代表者が互いに訪問するための旅費や学会に参加するための旅費として使用する.
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