2011 Fiscal Year Research-status Report
小型薄板モルタル供試体を用いたミクロ環境の定量評価方法の構築
Project/Area Number |
23656279
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐伯 竜彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90215575)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 小型薄板供試体 / ミクロ環境 / 飛来塩分 / 凍結防止剤 / 中性化 |
Research Abstract |
本研究は,薄板状の小型モルタル供試体を構造物各部位に設置することによって,部位毎のミクロ環境を評価し,部位毎の劣化外力を短期間で定量評価する手法を構築することを目的として検討を行った.具体的には,薄板モルタル供試体(4×3×0.5cm)を供用中の構造物の各部位に設置し,短期間暴露することによって供試体内に浸透した劣化因子の量を測定した.また,供試体中への劣化因子浸透量と構造物の供試体設置位置のおける劣化因子浸透量との比較を行った.測定対象とした劣化と供試体を設置した構造物は以下の通りである.i)飛来塩分により塩害を受ける橋梁,ii)凍結防止剤による塩害を受ける橋梁,iii)中性化の影響を受ける橋梁および建築物また,同時に,材料・配合条件が劣化因子の浸透量に及ぼす基本的な影響を把握するため,促進中性化試験,拡散セル法により酸素拡散係数および塩化物イオン拡散係数の測定を行った.得られた成果は下記の通りである.(1)薄板供試体を短期間暴露することによって,飛来塩分による構造物各部位における塩分浸透量をある程度の精度で推定することが可能であることを明らかにした.(2)薄板供試体を短期間暴露することによって,凍結防止剤による構造物各部位における塩分浸透量の傾向を把握できることを明らかにした.(3)薄板供試体を短期間暴露することによって,構造物部位が中性化深さにおよぼす相対的な影響をある程度の精度で評価できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
推定精度に関しては改善の余地があるものの,小型薄板供試体の短期間の暴露試験により構造物各部位における飛来塩分による塩分浸透,凍結防止剤による塩分浸透,中性化深さを推定できることが確かめられたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,各劣化因子の浸透量の推定精度の向上を図る.さらに,劣化因子浸透量からコンクリート内部における劣化因子の濃度分布を推定する手法についても検討する.これらの成果を総合して,ミクロ環境の定量評価手法の確立を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に引き続き,小型薄板供試体の暴露試験を行う.また,室内試験(供試体の基本特性の把握と劣化促進試験)結果および暴露試験結果比較し,ある材料・配合の供試体の劣化速度を他の材料・配合の供試体の劣化速度に換算する方法を検討することにより,ミクロ環境評価手法を構築する.
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Research Products
(2 results)