2011 Fiscal Year Research-status Report
静電的防食を可能とする帯電化セメント系微粒子の開発と帯電化メカニズムの解明
Project/Area Number |
23656281
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 史武 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00414376)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 静電的防食 / 帯電化微粒子 / 分極固化 / セメント / 印加昇温 |
Research Abstract |
ハロゲンフリーセメントの作成を試みた。セメント中のハロゲンを有機溶媒抽出(硫酸アンモニウム/1-ピロリジンカルボジチオ酸アンモニウム/4-メチル-2-ペンタノン抽出法)することで、塩素含有量を約30%低減化させることが出来た。次に印加昇温処理によるセメントモルタルの分極固化について検討を行った。電極をセメントモルタルに直接接触させる場合、水の電気分解によって電極部に気泡が発生し、セメントモルタルの固化が進むにつれて電極部周辺の接触性が悪化した。そして固化そのものと電極部の接触性悪化に伴って電流値が時間とともに低下した。これは電極部の物理的振動による発生ガスの強制排除などで対応できる課題であると考えられる。狙いどおり分極固化できることが本年度の成果として得られ、電位差を最大化させる最適条件の探索へ研究フェーズを移行させて良い確証を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セメント中の塩素低減化、印加による分極固化が狙いどおり可能であることを本年度の成果として得たことから、研究は概ね計画通り進んでいると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
電位差を最大化させる分極固化条件を探索し、その最適条件を得る。また、分極部を微粉化して帯電化微粒子を得る。帯電化微粒子のキャラクタリゼーションについてもその研究を開始する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究機関の異動によって研究環境(利用可能な装置類など)が変わったため、電位計等の研究に必要な備品や消耗品の購入するのため、物品費として800千円使用する予定である。帯電化微粒子のキャラクタリゼーション等で他研究機関の装置を利用予定のため、旅費として100千円を使用し、その他の経費として70千円を予定している。
|