2011 Fiscal Year Research-status Report
遠赤外線と高親水性効果を利用した霧除去ネットの開発
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23656282
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山尾 敏孝 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40109674)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 防霧ネット / 霧発生装置 / 遮蔽率 / 親水性塗料 / 室内実験 / 動き解析カメラ / 霧粒 / 小型ネット |
Research Abstract |
塗料を塗布した防霧ネットの開発については、1) 実験装置としては20cmの正方形断面で、長さは1m程度とした。塗布ネットは簡単に着脱できるので種々のネットを試験可能な装置である。この実験で得られた結果は小さな模型ではある程度塗料を塗布したネットの霧除去効果は得られたが、サイズの問題もあり、もっと大きな実験装置であることがわかった。2)噴霧器と扇風機を組み合わせ、整流格子を設置した大型霧発生装置で、20μm程度の霧粒を発生させ、流速の変化も可能な実験装置とすることに時間がかかった。また、実験に使用するネットは、実際に現地で使用するネットであり、親水性効果が発揮できる塗料を塗布したネットを用い、ネットの形状、目のサイズや糸サイズや設置方向を変化させて霧除去つまり霧水吸着メカニズムを調べ、塗料の有無の関係を明らかにした。実験での観測には、動き解析マイクロスコープを用いてネットの前後の霧粒子の個数、粒径を測定することを試みた。霧の流速は1-4m/sの範囲で変化させ、霧の流速と遮蔽率との関係や継続時間の影響も検討した。また、霧発生現場で霧除去効果の確認・評価するため、塗料を塗布したネットを装着可能な小型の霧除去ネットシステムを製作した。使用する霧除去ネットシステムは、幅2m、高さ3m程度のネット3-4枚を組み合わせたものとし、現地で組立てが容易にできる構造とした。その後、現地実験の場所を選定するため、関係者との協議を行った結果、高速道路傍に現在使用してネットに、開発した塗料を直接塗布して、開発したネットの除去効果や性能の持続性等の性能評価および実用化実験をすることになり、今後に向けての問題点や課題等を把握することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室内での小型実験装置の開発については,少ない予算で効果を上げるべく実験装置の開発に意外と時間がかかったが,どうにか実験実施ができるようになったが,研究成果の公表には至らなかった.また,防霧ネットの開発についても,実際使用されるネットを入手し,これと他のネットの性能について,塗料の有無を含めてネットサイズ,塗料の有無,網目の方向等を変化させて実験を行うことができた.ただ,現場実験での効果確認実験は現場対応により次年度に持ち越したが,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究での成果の公表がまでできていなかったので,これを早急に発表できるよう研究成果を吟味し,まとめる予定である.また,今年は現場(高速道路傍)に塗料を塗布したネット(幅10m,高さ5m)を設置できる予定であり,現場での炉用ネットの効果を確認する予定である.また,次年度には,室内実験及び塗料ネットの霧除去メカニズムの解析手法の開発を,動き解析カメラの撮影結果と比較しながら行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置の改良費及び実験遂行の補助及び現場計測での圃場に謝金として使用する.また,研究成果の公表のための旅費および投稿料に使用する計画である.
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