2012 Fiscal Year Annual Research Report
遠赤外線と高親水性効果を利用した霧除去ネットの開発
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23656282
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山尾 敏孝 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40109674)
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Keywords | 防霧ネット / 霧発生装置 / 高親水塗料 / 動き解析マイクロスコープ / ラッセル編みネット / 高速道路 / 遮蔽率 |
Research Abstract |
高親水性塗料を塗布した防霧ネットの開発については、室内実験装置の改良を重点に行ってきた。今年は、昨年の実験装置をもっとコンパクト(90cmx90cm)とし,一様な風速の再現および霧粒子捕捉量等によって霧除去効果を検証するため,実験では,塗料の有無,種類を変化させ,各ネットの捕捉量を測定した.また,動き解析マイクロスコープで実験中のネットの状況を撮影することで,塗料が水膜形成のメカニズムに与える影響の解明の変化に伴う,ネットが霧粒子を捕捉する水量を測定した.塗料の有無によるネット毎の捕捉量を比較することで,高親水性塗料が霧除去効果に与える影響を解明することを目指した.装置を改良したことにより一様流速の霧を長時間にわたって発生することができた。実験では,実際に高速道路で使用されている正三角形のラッセル編みのネットを使用し、ネットを張る方向,塗料の有無や種類,塗布する面を組み合わせた形式とした. 実験より、防霧ネットとして使用する場合,ネットを横軸方向よりも縦軸方向に張る方が効果的である.塗料を塗布したネットは,塗料を塗布していないネットに比べて遮蔽率が高く,霧がネットを通過する量が少なくなり、内側に付着した水滴が落下するまで時間がかかった.つまり、塗料の親水性が,水滴が落下するのを妨げている可能性がある.また、塗料を塗布することにより水膜を形成しにくいため,遮蔽率の増加は少ないことがわかった。さらに、湿度も防霧ネットの効果に影響があることがわかった。また、関係者との協議を行った結果、高速道路に使用している防霧ネット(5mx10m)に、開発した塗料を直接塗布して、ネットの霧除去効果や性能の持続性等の評価を確認する実用化実験をすることになり、年度末になってようやくネットが設置できた。
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Research Products
(1 results)