2012 Fiscal Year Research-status Report
音響学的考察に基づくコンクリート部材の劣化度診断技術の高度化
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23656284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 基行 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60124591)
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Keywords | 振動試験 / 周波数特性 / 波形合成 / 音色 / 健全性評価 |
Research Abstract |
本研究課題は,振動試験によって得られる周波数特性 (周波数伝達関数) の測定値を用いてコンクリート部材の音色を聴く技術を構築し,これをコンクリート部材の健全性評価に応用するものである.具体的には,(1)加振器を用いたコンクリート部材の強制加振試験 (ハードウェア技術開発),(2)周波数特性に基づくコンクリート部材の音色の再生 (ソフトウェア技術開発),(3)音色の変化に着目したコンクリート部材の健全性評価 (アプリケーションへの応用)を検討する.平成24年度の研究によって得られた成果を以下に示す. (1)加振器を用いたコンクリート部材の強制加振試験:動電式加振器を用いた強制加振試験の方法を考案し,寸法や形状が大きく異なるコンクリート供試体,および実構造物の振動試験を行った.これらの構造諸元および加振条件と測定精度を整理し,提案する強制加振試験によって精緻に周波数特性が測定できる構造諸元と加振条件の関係を整理した. (2)周波数特性に基づくコンクリート部材の音色の再生:上記(1)の強制加振試験によって得られる周波数特性の逆フーリエ変換によって時刻歴の波形データを作成し,これをオーディオファイル (RIFF waveform Audio Format) に書き換えるソフトウェア技術を構築した.さらに,人間の耳に聞き取りにくい高周波数成分をフィルター除去し,平均律に基づく音階と旋律を与えて波形合成することにより,コンクリート部材の周波数特性や音響特性を人間の耳に聞き取りやすい音色や音楽として再生することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に取り組む前に行った基礎研究の成果が優れていたため,当初の計画以上に研究が進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
凍害や塩害,疲労などの劣化・損傷を模擬したコンクリート供試体を作製する.広範な諸元と多様な劣化性状,損傷レベルに対して供試体の振動試験を行い,音色の変化によって検知可能な諸元,劣化性状および損傷レベルを整理する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
凍結融解試験,電食試験,載荷試験に使用するコンクリート供試体の作製費用,実験消耗品費,および研究打ち合わせや現場試験に係る旅費に充てる.
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Research Products
(15 results)