2011 Fiscal Year Research-status Report
橋梁振動モニタリングのための自己発電・蓄電機能を有する無線センサノードの開発
Project/Area Number |
23656289
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川谷 充郎 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00029357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 哲佑 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80379487)
野村 泰稔 立命館大学, 理工学部, 助教 (20372667)
何 興文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20454605)
塚本 昌彦 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60273588)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 維持管理工学 / 橋梁損傷推定 / 振動モニタリング / MEMSセンサ / 圧電素子 |
Research Abstract |
本研究は,橋梁振動モニタリングのツールとして用いられる無線センサノードの実用化において解決すべき課題である電源確保に着目し,圧電素子(Piezoelectric material)が貼られた構造部材が振動・変形する際に生じる電位差を電力として回収し,無線センサの電源として利用する新たなアプローチに挑む.特に,発電量が少ない圧電素子発電の欠点を補うため蓄電機能を導入する無線センサノードの開発を目的とする.通常の橋梁振動モニタリングは24時間連続して行われることはなく,決められた時間間隔でモニタリングすればよいことが多いため,少ない発電量を蓄電して利用することに着目する.平成23年度の実績は次の通りである.1.圧電素子および車両走行実験用橋梁模型整備(川谷,金,何) 振動発電の媒体となる圧電素子の整備を行う.市販圧電素子の特性検討による圧電素子の選定は,本研究の成否にかかわる重要なプロセスである.一般に,電圧セラミックスと薄い金属板を貼り合わせた圧電素子,あるいは樹脂系のフィルム式の圧電素子も開発されており,これまでの検討により両者共有用と判断している. さらに,振動発電システムの性能検証のため,申請者保有の模型橋梁車両走行実験装置および無線センサノードを含む振動計測システムを整備した.2.振動特性と発電量の相関関係を検討するための室内実験(川谷,金,野村) 圧電素子を用いる振動発電の性能に関わる因子として,圧電素子そのものの性能以外に,振動の振幅や振動数のような圧電素子が貼られる構造物(構造部材)の振動特性も重要な因子になる.振動特性と発電効率の相関関係を明らかにした.3.蓄電回路の設計および基板の試作品製作(塚本) 上記の検討で選定される圧電素子により効率よく発電および蓄電を可能にする蓄電回路の設計および試作品の製作を行っている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記すように,交付申請書に記載した「研究実施計画」の内、1.圧電素子および車両走行実験用橋梁模型整備および2.振動特性と発電量の相関関係を検討するための室内実験についてほぼ計画通りに進捗しているが,3.蓄電回路の設計および基板の試作品製作については蓄電回路の設計および試作品の製作段階であり,データ送信時の必要電流に達していないため,"2)おおむね順調に進展"の評価としている.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度検討途上の3.蓄電回路の設計および基板の試作品製作につき,効率よく発電および蓄電を可能にする蓄電回路の設計および試作品の製作を行う.無線センサノードのデータ送信時の必要電流は20mA程度であり,定常的に20mAが得られるように検討する.4.模型橋梁車両走行実験装置による性能検討(川谷,金,塚本,野村,何) 平成24年度は提案される「振動発電システムと無線センサノードとの組み合わせおよび性能検証」および「実用化に向け技術的検討」を行う. 申請者が開発している無線センサノードに振動発電システムを組み合わせた試作品を模型橋梁車両走行実験装置の模型桁に設置し,車両走行による発電および蓄電の可能性を検証する.また,蓄電された電源による振動計測も行う.(川谷,金,野村) また,実用化に向け技術的検討を行い,供用構造物への適用可能性あるいは適用の際に解決すべき技術的問題を把握し,実用化に向け活用できる資料を提供する.(川谷,塚本,何)
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費15万円(前年度の残額15.9万円):圧電素子,コンピュータ記憶媒体.旅費65万円:6th Int’l Conf. on Bridge Maintenance, Safety and Management (IABMAS2012), Stresa, Lake Maggiore, Italy, July 8-12, 2012 あるいは3rd International Symposium on Life-Cycle Civil Engineering (IALCCE 2012), Vienna, Austria, October 3-6, 2012.に参加.土木学会全国大会年次学術講演会に参加.研究打ち合わせ(札幌-神戸).人件費・謝金30万円:研究補助,データ整理補助.その他10万円:センサ製作費.研究実施状況により変更有り.
|
Research Products
(8 results)