2011 Fiscal Year Research-status Report
低炭素社会に貢献する土質系廃棄物の二酸化炭素固定化の可能性調査
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23656294
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小峯 秀雄 茨城大学, 工学部, 教授 (90334010)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 廃棄物 / リサイクル / 二酸化炭素 / 吸着 / 地球温暖化 / 低炭素社会 |
Research Abstract |
近年,地球温暖化を背景とした温室効果ガスの削減に関する取り組みが活発となっている.特に二酸化炭素(CO2) は,排出される温室効果ガスの9割強を占めており,大気中のCO2濃度は,18世紀後半の産業革命以降,森林伐採や化石燃料の使用量増加とともに,急速に上昇してきた.また,温暖化に伴う海面上昇や集中豪雨の増加が,液状化の発生するリスクを増大させるという知見もあり,地球温暖化は,地盤工学の分野においても重要な問題とされている.このような背景から,大気中のCO2濃度を低下させる技術,CO2の排出量を削減する技術,もしくはCO2を処分する技術等の開発が強く求められている.一方,2000年に循環型社会推進形成基本法が公布されたことに伴い,循環型社会の構築に向けた廃棄物の有効利用が求められている.新たに採取する天然資源と自然界へ排出されるものを最小化する資源の循環的利用が重要であり,既往の研究として,鉄鋼スラグをコンクリート用骨材や道路の路盤材に用いるものや,浄水汚泥を道路の路盤や路床および埋戻し材として利用するものがある. 以上の現状を踏まえ,今年度は,大気中のCO2濃度の低下と廃棄物の有効利用を両立する技術の開発を目指して,各種廃棄物のCO2 固定化特性を明らかにし,CO2 固定を考慮した廃棄物の有効利用方法の試作を行った.今年度は,主にカルシウム成分を含有する廃棄物を用いてCO2 固定化特性を調査した.CO2と廃棄物の接触条件の差異に着目したCO2固定化試験を実施し,CO2固定化のメカニズムおよび試験結果に基づいた各種廃棄物を用いて,廃棄物処分場の即日覆土材として用いた場合のCO2 固定化量の試算を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数多くの廃棄物材料を使用したCO2固定化実験には,作業に長時間が要するものの,当初計画した通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りの実験条件で研究を進めると共に,現在までに取得してきた研究成果に関する考察を深め,各廃棄物材料のCO2固定化メカニズムの解明を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CO2センサーの購入,カラム試験用用具,化学分析用消耗品,関連図書購入,成果発表のための国内学会出張費に支出予定である.
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Research Products
(7 results)