2011 Fiscal Year Research-status Report
統計数理手法を用いた汎用的逆解析システムの開発:性能設計/維持管理への応用
Project/Area Number |
23656297
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 章 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80157742)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伸一 岡山大学, 環境学研究科, 教授 (30198501)
藤澤 和謙 岡山大学, 環境学研究科, 講師 (30510218)
西山 竜朗 愛媛大学, 農学部, 准教授 (30294440)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 粒子フィルタ / 水~土連成問題 / EMアルゴリズム / 弾塑性有限要素法 / 逆解析 |
Research Abstract |
飽和粘土の変形挙動を水~土連成問題の解と見なした場合、観測事象と粒子フィルタの数理との整合を理論的に検討した。粒子フィルタを構造体に関する有限要素シミュレーションに用いた事例は見られないため、その適用性や適用限界を事前に検討した。計算サーバの導入とプログラム開発を行い、粒子フィルタと既存の水~土連成弾塑性有限要素解析プログラムとを連携させたデータ同化解析法を整備した。あらかじめ想定したパラメータを用いて観測値を発生させ、粒子フィルタにより未知パラメータの再構成・挙動予測を行った。さらに、小型遠心模型実験装置(既設設備備品)を用いた盛土基礎地盤(飽和粘土)の模擬挙動を実施し、変形や間隙水圧の観測値から塑性パラメータを同定して、粘土試料について別途行う材料試験により得られたパラメータとの比較検証を行った。模型地盤内部に空洞を設けた場合の欠陥同定も併せて実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設備備品(PCサーバ)を購入し、システムの整備と粒子フィルタプログラムの開発を行った。水~土連成弾塑性有限要素法との連携によるデータ同化も行い、実験データを観測値とする解析の試行も成功した。本年度で実施予定であったうち、EMアルゴリズムの検討とプログラム開発が遅れているが、それ以外は順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成17~19年度科学研究費採択課題「施工観測を考慮した土構造物性能照査コードの開発とGPS・携帯電話を用いた性能管理」において東日本高速道路(株)北関東自動車道施工地区で道路本体部の盛土基礎沈下をGPSにより計測している。この観測値を用いて、粒子フィルタによる解析を行って、弾塑性パラメータを同定する。さらに、神戸空港護岸盛土基礎における沈下計測値についても、同様に開発したシステムによる逆解析を実施する。連携研究者(清水建設技術研究所・鈴木 誠副所長)の協力も得ながら、他の事例にも実観測値を収集し、本研究の方法を検証する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度において設備備品の購入予定はない。H23年度の成果をもとにした国内・国外の出張旅費のほか、現場観測データの収集旅費と、その資料整理に経費を使用する計画である。
|
Research Products
(37 results)