2012 Fiscal Year Annual Research Report
生分解シートブロックによる漂砂フラックスと汀線位置の柔軟な制御
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23656302
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武若 聡 筑波大学, システム情報系, 教授 (80202167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳嶋 慎一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 専門研究員 (40392972)
佐藤 愼司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90170753)
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Keywords | 侵食対策 / サンドバッグ / 生分解性シート |
Research Abstract |
海岸侵食対策に用いられる海岸構造物(突堤,離岸堤など)はコンクリートより制作され,一旦設置すると,恒久的に制御効果を発揮することになっている.適切に設計された場合,汀線を所定の位置に制御できるが,時に過剰な制御となり,沿岸漂砂下手への土砂供給が少なくなることがある.これを緩和するために,柔軟な汀線制御を可能とするサンドバックについて検討を行った.サンドバックは設置,撤去が海岸構造物に比して容易であり,また,生分解性のシートにより制作し,自然崩壊により漂砂制御機能を変化させることが期待できる. フィールドに生分解性布地(シート)を暴露し,水分(雨水,大気中水蒸気),太陽光に対する耐性を調べた.その結果,水分,太陽光に対しては高い耐性を有し,18カ月程度の暴露では布地に変化が現れないことを確認した. 石川県千里浜,福井県浜住海岸にて現地施工されたサンドバッグの調査を実施した。千里浜では,汀線近傍に約200mにわたって施工されたサンドバッグの一部が損傷し,中詰めの砂が流出し,バッグが変形した。浜住海岸では,前浜に設置されたサンドバッグが砂浜の侵食とともに露出し,捻じれるように変形したため,縫い合わせ部から損傷し,中詰めの砂が流出した。袋体の構造的な弱点が明らかとなり,今後の対策に活用できる.観測桟橋の周辺にてサンドバッグを生分解性シート生地により製作し,波打ち際に設置した.設置後,3カ月以内に数回の高波浪の作用を受け,生地は破断し僅かな部分を残して飛散した.生地の耐摩耗性が予想よりも低く,早い時期の崩壊に至ったと考えられる. 海岸構造物の流失,沈下を漂砂制御機能の低下と見立て,地形変化の分析を行った.新潟海岸,皆生海岸の事例を調べ,離岸堤の飛散・沈下と汀線位置の変化を調べた.離岸堤の機能が失われると背後の汀線位置は直ぐに後退するが,同時に周辺の汀線位置には若干の前進があった.
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Research Products
(2 results)