2011 Fiscal Year Research-status Report
生物多様性オフセットの導入を見据えた公共事業のマネジメント・プロセスの再検討
Project/Area Number |
23656311
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福本 潤也 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30323447)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 公共事業 / 生物多様性 / 戦略的環境アセスメント / 生物多様性オフセット |
Research Abstract |
日本の公共事業制度・土地利用制度と海外オフセット制度の調査結果を整理した上で,オフセット制度を日本に導入する際に検討すべき公共事業のマネジメント・プロセスの代替案について検討した.代替案設計のポイントには,1) 公共事業のマネジメント・プロセスにおけるオフセット制度の位置づけと,2) オフセット制度の詳細の2つがある.前者では,(1)環境アセスメントとの関係,(2)事業の許認可プロセスとの関係,(3)オフセット事業の入札・契約の仕組み,(4)生物多様性に配慮した公共事業の設計・入札・契約の仕組み,(5)事業評価におけるオフセット費用の扱い,(6)公共事業が生態系に与える影響の事後モニタリング,の6点について検討した.後者では,(1)自然復元事業の実施主体,(2)代償を認める地理的範囲,(3)代償を認める生物種,(4)スタッキングの有無,(5)マルチプリケーションの有無,の5点について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,日本の公共事業制度・土地利用制度と海外オフセット制度の調査結果を整理した上で,オフセット制度を日本に導入する際に検討すべき公共事業のマネジメント・プロセスの代替案を設計し,設計した代替案の有効性について,ステークホルダーにいかなるインセンティブを与えるかという視点と土地利用にいかなる影響を与えるかという2つの観点からインセンティブ理論やゲーム理論に基づく理論分析を行う予定であった.代替案設計は概ね達成できたものの,ステークホルダーに与えるインセンティブについて理論分析を十分行うことができなかったため「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
オフセット制度を日本に導入する際に検討すべき公共事業のマネジメント・プロセスの代替案の有効性について,ステークホルダーにいかなるインセンティブを与えるかという視点と土地利用にいかなる影響を与えるかという2つの観点からインセンティブ理論やゲーム理論に基づく理論分析を行う予定である.また,経済実験により理論的を実証的に成立するかどうか確認する計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・海外の事例調査に必要となる研究資料やインセンティブ理論・ゲーム理論に基づく理論分析を行うにあたり必要となる研究資料を購入する計画である.・理論分析を行うにあたり,必要となる数理計算用のソフトウェアを購入する計画である.・経済実験分析を行うにあたり,被験者に謝金を支払う計画である.
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